日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2024年7月の鳥はツバメです。
撮影:Miwa Suzuki / 撮影地:愛知県
ツバメは、春になると日本へやってくる渡り鳥です。
春から夏の間は日本で過ごし、秋になるとフィリンピンやインドネシアなどの東南アジアに渡っていきます。日本から東南アジアまでは、片道2,000キロ以上もの長い渡りを行います。
日本には、子育てのためにやってきます。
わざわざ日本まで来ずとも、東南アジアで子育てができないのだろうか?と思うのですが、
日本に来るには理由があります。ツバメは昆虫食で、ヒナを育て上げるにはたくさんの虫が必要です。日本には四季があり、春先になると虫が大量発生します。この虫を目当てに、はるばる海を越えて、ツバメたちは日本にやってくるというわけです。
ツバメは、人のすぐそばで子育てを行う鳥で、人家や商店、駅などに巣をつくります。
みなさんも泥でできたツバメの巣を、一度は見たことがあるのではないでしょうか。
巣に詰まったツバメのヒナたちは、とってもフワフワで、守ってあげたくなる可愛さがあります。そんな私たちの気持ちを知ってか知らずかは分かりませんが、ツバメはあえて、人のそばに巣を作り、人間を味方につけることで、カラスやヘビなどの天敵からヒナを守っています。
しかし、ツバメは、近年数を減らしていると言われています。
ツバメが減っている背景には、都市化が進み、ツバメのエサとなる虫や、巣を作る場所が減ってきていることがあります。そのほかにも、人の手によって巣が落とされてしまう場合もあります。
日本野鳥の会では、これからも人とツバメの共存が続くことを願い、ツバメの巣や生息環境を温かくみまもっている企業・団体に感謝状を贈呈しています。
これまで、全国23都道府県73の団体に感謝状の贈呈を行いました。贈呈先は、小中学校や道の駅、レストラン、一般企業などさまざまです。フン受けを設置したり、周囲の方へ注意を促す看板を設置したりと、さまざまな方法でツバメの見守りが行われています。
2024年度も、25団体に感謝状を贈呈予定です(6/20現在)。
過去の贈呈先は、当会HPでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
詳しくはこちら。
過酷な渡りを乗り越え、一生懸命子育てを行うツバメたち。
ツバメを見つけたら、ぜひ温かい目で見守っていただければうれしいです。
スタッフIM