2023/07/15

ツバメを見守る輪_Vol.57_農業 田中さん、 筑前町立東小田小学校

日本野鳥の会筑後支部から、

ツバメの巣を見守る施設の紹介が2つ届きました。

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●農業 田中さん

田中さんは、家の横の農業倉庫をツバメの営巣のために解放し、

入口には目の粗いネットをかけてカラスの侵入を防ぎ、

フンがトラクターなどに落ちるのも構わず、

ご夫婦でツバメの子育てを見守っています。

▲田中さんご夫妻
農業倉庫にはカラス除けのネットがかけられている

倉庫には、全部で50個ほどの巣があり、150羽ほどの巣立ちが確認されるという事です。

田中さんは登山が趣味で、自然保護にもとても関心をお持ちとのことでした。

▲倉庫の天井には、たくさんのツバメの巣がある


筑前町立東小田小学校

筑前町立東小田小学校は福岡県朝倉郡筑前町にある小学校です。

ツバメの見守りについては、近所の小学生から日本野鳥の会筑後支部に

情報提供をいただきました。

▲東小田小学校
ツバメの巣は、昇降口にある

▲監視カメラの上に作られたツバメの巣


ツバメの巣があるのは、子ども達の昇降口でよく目につく場所ですが、

端の方のためフンの影響も少なく、

また、監視カメラの上に巣を作っていますが、

今のところカメラへの影響もないとのことで、そのまま見守ってくださっています。


可愛いヒナや、一生懸命子育てをする様子から、

子ども達へ命の大切さ等をお話になる先生もいるそうです。


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田中さんの倉庫では、出入口にカラス除けの粗目のネットを張ることで、

カラスを防ぎつつツバメは出入りできるようになっているのですね。

ツバメたちも安全安心で子育てができることと思います。

また、小学校でのツバメの子育てを通して、命の大切さを学ぶ機会もできるのですね。

個人・学校など、規模や巣の数に関わらず、

ツバメの子育てを見守っておられる方がいることを大変嬉しく思います。

今後も引き続き見守っていただければと思います。

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【感謝状の贈呈】

8月、ツバメの見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状を贈呈しました。

感謝状は、筑後支部 松富士支部長より田中さんへ、

筑後支部 高田さんより、東小田小学校へ贈呈されました。


ツバメを見守る輪_Vol.56_ 有薗順博製作所

 日本野鳥の会長崎県支部から、ツバメの巣を見守る施設の紹介が届きました。

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「有限会社有薗順博製作所」は、長崎県佐世保市にある義肢装具を製作する会社です。

▲有薗順博製作所

現在の会社建物は2000年に建設されましたが、

2003年から毎年ツバメが飛来し巣作り、子育て、巣立ちを繰り返すようになり、

20年間ツバメの子育てを見守っています。

▲顔を覗かせるツバメの子どもたち

飛来するツバメは1組ですが、巣作りをしている場所はガレージ内の3カ所で、

場所を変えたり増築したりしているとのことです。

ガレージなので、代表の有薗さんが毎朝5時にシャッターを開け、

夜8時に閉めるようにして、ツバメを見守っています。

代表の有薗さんは「特別なことをやっているわけでなく、

毎年ツバメが飛来し、巣を作り、子育てをし、

巣立っていくのを見守るのは、当たり前の生活の一部になっている」と言われています。

また、会社の場所が近くにある高校や中学校の通学路になっていることもあり、

生徒さんたちも時々ツバメの様子を見に来られることもあるとのことで、

地域の皆さんも見守っています。


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【感謝状の贈呈】

7月6日(木)ツバメの見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状を贈呈しました。

当日は、日本野鳥の会長崎県支部 福田支部長より

感謝状と、記念品のステッカー、絵本『つばめのハティハティ』(アリス館)

が手渡されました。


▲感謝状贈呈のようす
中央:有薗良太社長
両端:長崎県支部役員

感謝状を受けてのコメント

「何も特別なことはしていないのに、感謝状を頂くのはくすぐったい感じがする。

ツバメがやって来てヒナたちが生まれ、巣立って行く時には、毎年、元気に育って、

また、戻って来てね、という気持ちで見守っています。

絵本についても、お客さんの待合テーブルのところに置いて、お客さんや子供さん

たちに見てもらいます。」


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20年間もツバメの子育てを見守っていただきありがとうございます。

ツバメの子育てを見守ることが生活の一部になっているとのお言葉、

とても嬉しく思います。これからもツバメの子育てを温かく見守ってください。

ツバメを見守る輪_Vol.55_つるぎ町役場、道の駅 温泉の里神山、JA東とくしま よってネ市

 日本野鳥の会徳島県支部から、

ツバメの巣を見守る施設の紹介が3つ届きました。

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つるぎ町役場(つるぎ町教育委員会)

「つるぎ町役場」は、徳島県美馬郡つるぎ町にある町役場です。

つるぎ町役場の公用車置き場はでコシアカツバメが営巣しています。

▲つるぎ町役場 公用車置き場

10年前、徳島生物多様性協議会が県下ツバメ生息調査を実施したところ、

徳島市や鳴門市などの県東部ではコシアカツバメの巣を

ほとんど確認できなかったそうです。

一方で県西部には少数ながら巣を確認し、

特に好条件の場所では集団営巣地となって、

今期は24巣の営巣を確認できました。

▲コシアカツバメの巣

役場職員は県内でのコシアカツバメの営巣が少なく、

希少種になっているのであれば、今後さらに注意深く見守っていくとの事です。


道の駅 温泉の里神山

「道の駅 温泉の里神山」は徳島県名西郡神山町にある道の駅です。

▲道の駅 温泉の里神山

10年前よりツバメの巣が10~20個以上見られていました。

道の駅を訪れる人たちは、ツバメの子育を楽しんでいるようです。

▲ツバメの巣

道の駅の職員の方々も人々に癒しを与えているツバメを

大事に見守りたいとのことで、糞の清掃を毎朝行なっています。

JA東とくしま よってネ市  

「JA東とくしま よってネ市」は徳島県勝浦郡勝浦町にある直売所です。

▲JA東とくしま よってネ市

▲軒下に作られたツバメの巣

建物の軒先に今年はツバメの巣が23個あります。

毎年、4月初旬から8月まで子育てをしています。

最近、民家の繁殖が難しいのか、この施設に好んで巣を作り、

来店のお客さまも楽しんで見ているようです。

糞は始業前に毎朝清掃し、今年も無事に巣立つよう見守っています。

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スタッフさんが毎朝、ツバメの糞を清掃されることで、

地元が一体となってツバメの子育てを見守ることが楽しめているのだと思います!

コシアカツバメの営巣も役場職員の皆さんに見守っていただきたいです。

皆さんのおかげでツバメの子どもたちがたくさん巣立ってくれますように!

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【感謝状の贈呈】

6月26日 つるぎ町教育委員会

6月28日 道の駅温泉の里神山

6月29日 JA東とくしまよってネ市

にツバメの見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状を贈呈しました。

当日は、日本野鳥の会徳島県支部 三宅支部長より感謝状が手渡されました。

▲つるぎ町教育委員会への贈呈

▲道の駅温泉の里神山への贈呈

▲JA東とくしまよってネ市への贈呈


2023/07/14

ツバメを見守る輪_Vol.54_スーパーマーケットマルイ車尾店、三朝町立三朝中学校、小谷パン店

NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部から、

ツバメの巣を見守る施設の紹介がありました。

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スーパーマーケットマルイ車尾店

スーパーマーケットマルイ車尾店は、鳥取県米子市にあるスーパーマーケットです。

▲スーパーマーケットマルイ 車尾店

国道沿いにあり、駐車場も広く、24時間営業のため絶えず人が出入りすることから、

天敵のカラスも近寄れないようです。

また、外装にはレンガが使われており、ツバメの巣作りには最適なのか、

毎年5箇所以上営巣し、2回目、3回目の繁殖も観察されています。

▲巣から身を乗り出すツバメ


店長のお話によると、「出入り口の真上への営巣は遠慮してもらうしかないが、

その他の場所での営巣は、床に段ボール箱の糞受けを置き、子育てを見守っている。

お客様からの苦情はないが、ツバメが店内に入ってしまった時は本当に困る。」とのこと。

先日、スーパーの利用者から鳥取県支部に

「店内に入ったツバメが外に出られなくて困っている。」と電話があり、

駆けつけると、電話をかけてこられたお客さんが見守る中、

店長が自動ドアと窓を開け、のぼりで外に誘導して見事解決。

皆で喜びあいました。店長の手慣れた作業に驚いていると、

「この時期にはよくあるんですよ。」と、

店長は冷静なツバメの見守りの達人でした。この店は繁盛するであろう。


三朝町立三朝中学校

三朝町立三朝中学校は、鳥取県東伯郡にある中学校です。

▲三朝町立三朝中学校


三朝中学校では、校舎の玄関先と隣接する体育館の周囲に

たくさんのツバメとコシアカツバメの巣があります。

▲学校のひさしに作られたツバメの巣

校長先生の話では以前からたくさんの巣があって、

前校長は学校便りで紹介したりして、温かく見守っていました。

現在の校長先生も率先してフンの掃除をしておられるようです。

地域の方もお手伝いされるとか。

校長先生からは、今後も、校長の引継ぎ事項に明記して見守っていくと

心強いお言葉をいただきました。

ただし、10年後に近くの小学校と統合して新しい校舎ができる計画だということで、

それまでは温かく見守りますとのことでした。


●有限会社 小谷パン店

小谷パン店は、鳥取県東伯郡にある町の小さなパン屋さんです。

▲お店の入口に作られたツバメの巣
店内にも巣があるとのこと

事務所の外に2つと内に7つのツバメの巣があります。

今年はそのうちの4つで営巣中です。

学校給食用のパンがメインなので、事務所での販売は食パンを週2回、

菓子パンを週1回並べて販売しています。

小谷さんの話によると、「ここに嫁に来て50年ですが、

気が付いた時にはツバメの巣はありました。

巣があることが当たり前なので、見守り続けています。

お客さんからも、今年も来ましたねと声をかけられたり、

わざわざツバメを見に来るお客さんもあるんですよ。」とのこと。

これからも温かく見守り続けますとお話されました。


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スーパーやパン屋さんなど、食べ物を扱うお店では

ツバメの巣を落としてしまう場所もあります。

そんな中、ツバメがいるのが当たり前だから、と言っていただけると

大変うれしいです!

これからも、温かく見守っていただければと思います。

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【感謝状の贈呈】

6月30日(金)ツバメの見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状を贈呈しました。

当日は、NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部 吉田支部長より

感謝状が手渡されました。

▲三朝町立三朝中学校での贈呈のようす
左:校長先生 中央:日本野鳥の会会員山内さん
右:鳥取県支部吉田支部長

2023/07/13

ツバメを見守る輪_Vol.53_株式会社 うきうき森田農場

日本野鳥の会熊本県支部から、

ツバメの巣を見守る施設の紹介がありました。

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株式会社うきうき森田農場」は、

熊本県宇城市で昭和50年代初めから無農薬有機農業を営まれている会社です。

現在は5haの土地でお米や野菜を栽培されていますが、

作物の保管に使っている2階建て納屋の1階で、50年以上に渡ってツバメが営巣しています。

▲ツバメが毎年営巣している納屋

例年、ツバメは3月中旬にやってくるそうですが、

今年は今までで一番早い36日に初確認したとのこと。

納屋の1階天井には数多くのツバメの巣があり、その数なんと約30個!

今年の3月下旬の時点では、7個の巣でヒナが確認できたそうです。

▲納屋の天井につくられたツバメの巣

保管している野菜にフンがつかないようにカバーをかけたり、

ツバメたちが自由に行き来できるよう営巣期間中は納屋入口のドアを開放し、

飛行コース上に車を停めないようにしたりと、

代表の森田さんご夫妻がきめ細かな気遣いをされています。 

広い面積の無農薬農場があることで、

ツバメたちのエサとなる虫がたくさん生息しているのかもしれません。

「ツバメがたくさん虫をとって、

無農薬の農業を助けてくれているのではないか」と、森田さん。

お話を伺った熊本県支部の方は、森田さんのその言葉に感動したということです。

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50年以上に渡ってツバメたちと一緒に農業を営んでこられた森田さんのお気遣いで、

ツバメたちは毎年安心して子育てができているんだと感じました。

天井のあちこちにかけられたツバメの巣が、

森田さんとツバメたちの信頼関係を物語っているようです。

この関係が将来もずっと続いていくと良いですね。


スタッフSA(新人研修)

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【感謝状の贈呈】

6月26日(月)ツバメの見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状を贈呈しました。

当日は、日本野鳥の会熊本県支部 田中支部長より

森田ご夫妻へ感謝状が手渡されました。

▲感謝状贈呈のようす

感謝状を受けてのコメント

「有機農業をやっているので、季節感を大事にしているが、

毎年ツバメがやって来ると”今年もしっかりやろう”という気持ちになる。

フンの掃除など大変なところもあるが、ツバメ達と一緒に暮らしていると、

みんなが幸せになるような気がする。自分たちにとっては、家族の一員です。」

2023/07/10

ツバメを見守る輪_Vol.52_塘路郵便局

日本野鳥の会釧路支部から、

ツバメの巣を見守る施設の紹介がありました。

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塘路(とうろ)郵便局」は、北海道川上郡標茶町にある郵便局です。

▲塘路郵便局

北海道釧路地方で営巣するツバメは多くはありませんが、

塘路郵便局では20年ほど前からツバメが営巣しているそうです。

毎年4月末~5月上旬に郵便局舎の裏口で、12個の巣で子育てが行なわれているとのこと。

▲ツバメが毎年営巣する郵便局の裏口

郵便局舎の建替えによって壁の塗装が新しくなり、

ツバメの巣が落ちやすくなってしまったそうですが、

局員の皆さんがアイデアを出し合い、

木材を壁に貼付けて巣が落ちないようにしています。

▲木材を貼付けてツバメの営巣を手助け

ツバメたちは毎年、局員の方々や地域の皆さんに

温かく見守られて巣立っていきます。

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新しい塗装で滑りやすくなり、

ツバメが巣をかけにくくなった壁に一工夫することで、

ツバメがまた営巣できるようにしているんですね。

毎春ツバメの帰りを心待ちにしている局員や

地域の皆さんの優しさを感じることができました。

道東地方の数少ないツバメの営巣場所が、

温かく見守られていることを嬉しく感じます。


スタッフSA(新人研修)

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【感謝状の贈呈】

6月28日(水)ツバメの見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状を贈呈しました。

当日は、日本野鳥の会釧路支部 黒沢支部長より

塘路郵便局の高橋局長へ感謝状とツバメのための巣箱「スワローボックス」が

手渡されました。

▲贈呈のようす
右:釧路支部黒沢支部長 左:塘路郵便局高橋局長


2023/07/07

「ツバメのねぐら入り観察会」の下見に行ってきました!

 

8月上旬に開催予定の「ツバメのねぐら入り観察会」の下見に行ってきました。

 

ツバメのねぐら入りと聞いて、ピンと来る方はいらっしゃるでしょうか。

ツバメは毎年春になると日本にやってきて子育てをし、秋になると東南アジアへ渡って越冬する渡り鳥です。家屋の軒先や建物の壁に巣をつくって、子育てをしているのを見たことがあるという方も多いのではないかと思います。

 

皆さんにとっても身近な存在のツバメですが、子育てが終わってから南に渡るまでの初夏から初秋の時期、大きな川の河川敷や湿地にあるヨシ原に、夜に集まって休む集団ねぐらをつくります。ヨシというのは、水辺に生える高さ2-3mになる植物で、ツバメたちはこのヨシの茎や葉にとまって夜の休息をとっています。

 

今回下見に行ったのは、多摩川下流域の河川敷。まだ明るい午後6時半ごろに現地に到着しました。さっそくツバメたちがねぐらにしているヨシ原の対岸から双眼鏡をのぞくと、ヨシ原や水面の上を飛び交うツバメたちを見ることができました。

ツバメのねぐらがある多摩川下流域の河川敷

面白いのは、暗くなるにつれて昼間の活動を終えたツバメたちがねぐらに集まり、数がどんどん増えていくことです。観察を始めた時間帯はまばらに飛んでいただけだったのですが、日没の午後7時頃には上空や水面をツバメの大群が鳴きかわしながら飛ぶ迫力ある光景を見られるようになります。

ツバメたちがヨシにとまっている間にその数をカウントしてみると、500羽ほど。飛んでいるツバメを合わせると、合計は1,000羽を超えているでしょう。まだ子育て中で、集団ねぐらに合流していないツバメたちもいるため、7月下中~8月下旬のピーク時は2,000羽以上がこのねぐらに集まると推定されています。これだけの数のツバメが、この都会の中で生き抜いているんですね。

ツバメのねぐら観察の様子


ツバメのねぐらがあるヨシ原


さて、しばらくヨシにとまったり一斉にヨシ原から飛び立ったりを繰り返していたツバメたちですが、日没から30分くらい経ってあたりが暗くなった頃にはその賑やかさもおさまり、ヨシ原での眠りについたようでした。

 

今回初めてツバメのねぐら入りを観察しましたが、これだけの数のツバメがこの都会に生息し、子育てをし、そしてわずかに残った自然を拠り所にして生き抜いている姿に、ツバメたちの逞しさを感じずにはいられませんでした。ツバメたちがいつまでも暮らしていけるように、私たちもずっと見守っていきたいですね。

 

日本野鳥の会では、各地でツバメのねぐら入り観察会を実施しています。詳細や日程は下記URLのリンク先に随時掲載していきますので、皆さんのご参加をお待ちしております。身近なツバメたちの新たな一面を見ることができるかもしれません。

日本野鳥の会 : 全国「ツバメのねぐら入り観察会」のご案内 (wbsj.org)


スタッフSA(新人研修)




2023/07/05

今月の鳥「セイタカシギ」

 

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。

ワイルドバード・カレンダー、7月の鳥は「セイタカシギ」です。

撮影:大迫 洋子 /撮影地:神奈川県


セイタカシギは、スラっとした体と、なんといってもとても長い足が特徴の鳥です。

全長は37cm。そして足は、付け根から指先まで25cmもあるそうです。

翼と頭の一部が黒色、体は白色、足はピンク色をしています。

日本には、主に旅鳥として、水田や蓮田、入り江などに飛来し、水辺を歩き回りながらエビやカニ、小魚などを食べます。足が長いことで他のシギ・チドリたちが入れないような深い場所まで足を延ばすことができ、効率よくエサを取ることができるようです。

私がセイタカシギを初めて見たのは、まだ小学生のころでした。

第一印象は、やっぱり「足…」でした。

小学生ながら、あまりの足の長さにびっくりした記憶があります。

私は、セイタカシギを田んぼで見ることが多いのですが、田んぼによくいるシギ・チドリは、タシギやクサシギなどずんぐりむっくりした体型の鳥が多く、その中を歩くセイタカシギはとっても目を惹きます。歩く姿もとてもスマートで、立ち姿はまるでモデルのようなたたずまいです。

そんなセイタカシギですが、環境省のレッドデータブックにて、「絶滅危惧Ⅱ類(VU)※」に指定されています。(※絶滅の危険が増大している種)

ただ絶滅が心配されている一方で、千葉県や東京都などでは繁殖も確認されており、数が増えている場所もあるようです。実際に、ある河川敷へツバメのねぐら入りを見に行った際、目の前のテトラポットに数羽のセイタカシギがいたことがありました。こんなところに!となんだかうれしくなりました。

セイタカシギだけに限らず、シギ・チドリたちは、干潟が埋め立てられてしまうことによる生息環境の消失や悪化、水田や湿地の減少などで世界的にも数を減らしています。

日本野鳥の会では、シギ・チドリたちを守るための取り組みも行っています。

ぜひ、こちらもご覧ください。

 

「気づいて! 地味かわいい「シギ・チ」とその危機」

https://www.wbsj.org/join/donation-and-fundraising/donation/2023bm/

 

スタッフMI


2023/07/03

ツバメを見守る輪_Vol.51_医療法人社団せがわ会 千代田病院

 日本野鳥の会広島県支部から、

ツバメの巣を見守る施設の紹介がありました。

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医療法人社団せがわ会 千代田病院は、広島県山県郡北広島町にある病院です。

▲千代田病院

ツバメの見守り情報は、支部の会員さんより教えていただきました。

病棟の裏手や中庭側の換気口の上にコシアカツバメが巣を作っています。

使用されていない巣も含めると計16か所あり、スズメが入っている巣もありました。

▲ひさしに並ぶコシアカツバメの巣

▲巣から飛び出すコシアカツバメ

今回の事業について、理事長とお話をさせて頂きご快諾頂きました。

また、一緒に病院を周り巣の位置やスズメがいる巣なども教えてくださり、

私たちが話したツバメの種類についての話も興味深く聞いてくださいました。


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病院の窓からツバメが見えたら、なんだか癒されそうな気がします😍

ただ、とっくり形の巣を作るコシアカツバメなので、

ヒナたちの姿を見るのは、なかなか難しそうです・・・

今後も温かく見守っていただければと思います!


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【感謝状の贈呈】

6月21日(水)ツバメの見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状を贈呈しました。

当日は、日本野鳥の会広島県支部 井上さんより

千代田病院 瀬川理事長へ感謝状が手渡されました。

▲感謝状贈呈のようす
左:瀬川理事長 右:広島県支部井上さん

4/27「親子でバードウォッチング」にご参加の皆様へ

 4/27 森のいきもの観察DAY「親子でバードウォッチング」にご参加の皆様へ 当イベントは、 予定通り4/27に開催いたします 。 イベント当日は長袖長ズボン、履き慣れた靴など、歩きやすい服装でお越しください。 また、念のため、雨具もお持ちの上ご参加ください。 ご参加いただける...