2023/03/30

3/11バリアフリー探鳥会を行いました!

普及室では、体の不自由な方にも、バードウォッチングを通して、

自然に触れていただきたいと考え、バリアフリー探鳥会を実施しています。

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311日(土)昭和記念公園デイケアルームフローラ(東京都日野市)に通う

重症心身障がいの子どもたち3名と、そのご家族でバリアフリー探鳥会を行いました。

 

コロナ禍では、オンラインによるバリアフリー探鳥会を試行していましたが、

現地で直接対面するバリアフリー探鳥会はこれが初めてとなるため、

スタッフもドキドキしながら臨みました。


当日は、当会スタッフ向けに実施したバリアフリー研修会の講師としてお世話になった

宮野谷さんと宮崎さんにもスタッフとしてご参加いただき、合計7名体制で行いました。

 

当日の天気は晴れ、日中は気温もあがり、お散歩するだけでも楽しいような陽気でした。

昭和記念公園は、道幅が広く階段を使わずに公園内を回ることができます。

また、公園の中心にある大きな池では、マガモ、カルガモ、ヒドリガモなどの

鳥を間近に観察することができます。

▲木々も春めいてきました🌸
   

ご家族やフローラのスタッフのみなさんにも双眼鏡を貸し出し、

一緒にバードウォッチングを体験していただきました。

前半は、カモなどの水鳥を観察し、鳥を見ることに慣れてきた後半は、

シジュウカラやエナガ、メジロなどの小鳥の姿に

大きな歓声が上がっていました。


子どもたちも、親御さんたちが楽しんでいることを感じ取っているようで、

終始和やかな雰囲気の探鳥会となりました。

▲池のカモを観察(真剣です・・・!)

今回、重症心身障がいの子どもたちにバードウォッチングを体験してもらうために、

普段とは違う機材を2つ用意しました。


1つ目は、三脚の脚が大きく開脚する望遠鏡です。

通常の三脚では、脚が邪魔になって車椅子に座ったまま望遠鏡をのぞくことができません。

そこで、足が大きく広がる三脚を使い、車椅子が三脚の下に入れるように工夫しました。

 

▲三脚の足を広げると、車椅子でも観察可能に!

▲望遠鏡で鳥が見えるかな?


2つ目は、タブレットです。カメラとタブレットを接続し、

大きな画面でリアルタイムの鳥を見ることができるようにしました。

タブレットを使用することで、望遠鏡をのぞくことが難しい子どもでも、

鳥の観察を行うことができました。

これらの経験は、健常者の方を対象とした探鳥会でも、

応用していけると思います。

▲これなら誰でも観察できます!


最後にその日見ることができた鳥の振り返りを行い、

参加者みなさんで集合写真を撮りました。

▲最後に記念撮影!

参加者の方からは、「とても楽しかった」と言っていただくことができ、

スタッフにとっても良い経験となりました。

今後も、より多くの方にバードウォッチングの機会を提供できるよう、

取り組んでいきたいと思います。

2023/03/11

3/12「水辺のいきもの観察DAY」開催のお知らせ

3/12「水辺のいきもの観察DAY」に参加予定のみなさまへ


当イベントは、予定通り開催いたします。

みなさまにお会いできますことを楽しみにしております。


※当イベントは事前申込制です。受付は終了いたしました。

参加いただける方には、事前にメールで詳細をお知らせしておりますので、ご確認ください。


公益財団法人日本野鳥の会 普及室

2023/03/08

2/9 バリアフリー探鳥会のための研修会を行いました

 29日(木)に、東京港野鳥公園でバリアフリー探鳥会のための研修会を行いました。

日本野鳥の会ではいくつかの支部で、
障がいを持つ方を対象とした探鳥会が開催されており、
普及室でも3月11日に昭和記念公園にてバリアフリー探鳥会を行う予定です。

今回の研修会の講師には、宮崎雅也さん(日野市社会福祉協議会)、
宮野谷義傑さん(日本野鳥の会大阪支部会員)をお招きしました。
宮野谷さんは、車椅子で生活されながら、
京都や大阪で車椅子の方を対象としたバードウォッチングや
自然体験を普及する活動を行っています。

当日は、宮崎さんから障がい者についてご講演いただき、
その後、実際に車椅子体験を行いながら車椅子の操作方法や、
介助の仕方などを学びました。
また、最後に「バリアフリー探鳥会を広めるには」というテーマで
フリートークを行いました。

■実際に車椅子体験をしてみて
車椅子では、段差が乗り越えられなかったり、急な坂道が危なかったりすることは
もちろんですが、実際に体験してみると、
もっと些細なことで足を取られてしまうことが分かりました。
施設入り口の足ふきマットで車輪が空回りしてしまったり、
入口のドアの幅がギリギリだったり・・・

東京港野鳥公園もエレベーターやスロープがあり、
バリアフリー化が進んでいるように見えていましたが、
課題もたくさんあることが分かりました。
例えば、展望デッキの壁の高さです。
エレベーターとスロープで登ったはいいものの、壁が高く肝心の景色が見えませんでした。
これも、実際に体験したからこそ気づかされたことの一つでした。


◀壁が高くて景色が見えない・・・◀壁が低ければ観察できる!

■車椅子に乗りながらバードウォッチング体験
野外でのバードウォッチングも車椅子に乗りながら体験しました。

 
◀野外でバードウォッチング体験

平坦な道は問題なくバードウォッチングをすることができましたが、
一人で行動することの難しさを実感しました。
舗装されていない砂利道や坂道で車椅子を操作することはとても難しく、
一人で行動することの難しさを実感しました。

◀砂利道では車輪の操作が効きにくい

■バリアフリー探鳥会を広めるには?
最後のフリートークでは、東京港野鳥公園のレンジャーから、
公園のバリアフリーマップを作成してみてはどうか?といった意見や、
普及室からも、私たちが障がいについて「知る」ことで
お互いの安心と信頼につながるのでは?といった意見が出ました。

そもそも障害のある方は、外出すらままならない生活を送っている方も多く、
「バードウォッチング」と聞いても、
すぐには「自分もやってみよう」ということにはならないこと、
根気強く事例を重ねながら呼びかけを続けていく必要があることに気づかされました。
また、障がいのある方だけでなく、その家族の方にも参加していただいて、
一生に楽しめる場を作ることが大切な視点だと思いました。

これからもより多くの人にバードウォッチングを楽しんでもらうために、
取り組んでいければと思います。


2023/03/04

3/5「はじめよう!バードウォッチング in 大阪城公園」にご参加の皆様へ

明日のイベントは予定通り開催いたします。

ご参加をお待ちしております。


※当イベントの参加申し込みは締め切っております。

当日のご案内は、当選された方にのみ、メールでお送りしておりますのでご確認ください。

よろしくお願いいたします。


日本野鳥の会 普及室

2023/03/01

今月の鳥「サシバ」

 

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。

2023年3月の鳥は、サシバです。


撮影:白木 信生 / 撮影地:大阪府


サシバは、ハシボソガラスとほぼ同じ大きさの中型の猛禽類です。

体は全体的にくすんだ茶色で目立ちませんが、「ピックイー」という特徴的な鳴き声をたよりに見つけることができます。

 

各地で桜が咲き始めるころ、子育てのためにフィリピンやインドネシアなど東南アジアから、日本の東北地方以南に渡ってきます。

国内では、谷津田(やつだ)や谷戸などと呼ばれる、雑木林に囲まれた低い谷間に水田や畑がある里山の環境を好んで生息します。

 

猛禽類と聞くと、ほかの鳥を襲って食べるイメージを持つ方が多いと思いますが、サシバの主食はカエルやヘビ、ネズミなどの小動物です。

そのため、狩りの方法はいたってシンプル。

電柱や杭の上にとまり、地面を凝視。動くものを見つけたら、さっと飛び降りて足で捕まえます。

 

ある時、電柱にとまっているサシバを見つけたので観察していると、何か発見したのか近くの水田に突っ込んでいきました。

稲に隠れて姿は見えないのですが、うまく獲物が捕まらないのか、ゴソゴソ追い回しているようす。

しばらくすると、全身びしょ濡れ、泥まみれになって出てきました。

結局狩りには失敗したようで、元いた電柱の上に戻り、翼を広げて乾かし始めました。

その姿が何とも恥ずかしそうで、精悍なタカの仲間のイメージとは異なる、意外な一面を垣間見た瞬間でした。

 

私たちの身近な場所に暮らすサシバですが、里山の開発や耕作放棄などで生息環境が悪化しており、絶滅危惧種に指定されています。

当会では、サシバとその生息地を守るため、さまざまな活動に取り組んでいます。

ぜひこちらもご覧ください。


●日本野鳥の会 サシバ保護の取り組み

https://www.wbsj.org/activity/conservation/endangered-species/sashiba-hogo/

 

以上、スタッフTAでした。


【イベント情報】3/14初心者のための安西さんのオンライン野鳥講座

  初心者のための安西さんのオンライン野鳥講座 (Zoomによるライブ配信&見逃し配信)   3/14(木)19時~  ★要申込 ***** バードウォッチング初心者の方を対象に野鳥の楽しみ方をご紹介!  今月のテーマは、「夏鳥の準備」です。 キビタキ、センダイムシクイ、エゾムシ...