2023/08/24

ツバメを見守る輪_Vol.58_AAC つばめ薬局

 AACつばめ薬局は、東京都大田区にある薬局です。

AAC”つばめ”薬局という店名の通り、看板にもツバメのイラストが描かれており、

本物のツバメもここで営巣をしています。

▲AACツバメ薬局
看板には、ツバメのイラストが描かれている


ツバメの巣は、お店の入口のひさしにあり、

開店した14年前からずっと営巣を続けています。

巣の下には、カラス除けのためにひもが貼られています。

▲ひさしにあるツバメの巣

ツバメの子育てのようすが、入口のガラスに掲示されており、

温かく見守ってくださっていることが伝わってきます。

▲ツバメが成長していくようすが掲示されている


******

【感謝状の贈呈】

 7月18日(金)ツバメの見守りに対して、公益財団法人日本野鳥の会より、

感謝状を贈呈しました。

当日は、(公財)日本野鳥の会普及室長の富岡より、AACつばめ薬局の井上さんへ

感謝状と、記念品のステッカーとバードメイトが手渡されました。


▲右:井上さん(AACつばめ薬局)
左:富岡((公財)日本野鳥の会 普及室長)


これからもツバメを温かく見守っていただけると嬉しいです。


2023/08/17

「愛媛県内子町でトコロジスト講座を開催しました」その1

 ~じっと見ることから始まる場所の専門家~ 


※トコロジストとは?詳しくはこちらをご覧ください。


 内子町は、愛媛県のほぼ中央に位置し、町の中心部には国の重要文化財に指定された木造の芝居小屋「内子座」や重要伝統的建造物群保存地区があり、愛媛県内有数の観光地となっています。

 古い町並みを保存し、観光資源として活用しながらまちづくりを進める内子町は、町並み保存の先進事例として全国でも有名ですが、町並みだけでなく「町並みから村並、そして山並みへ」をキャッチフレーズに山村部を含めた内子町全体の環境保全に取り組んでいます。 

 内子町環境政策室では、2021年からトコロジスト講座を開催しています。内子町に住んでいる人たちが内子町の古き良き景観を守り育てていけるよう微力ながらお手伝いさせていただいています。

  今回のフィールドは内子町の山並み保存のシンボル的な場所となっている「小田深山(おだみやま)」です。小田深山は、標高1,2001,500m級の山々に囲まれた内子町屈指の自然の宝庫です。その小田深山を保全しようと活動している小田地区の住民の皆さんを対象とした三回連続の講座を開催しました。 

 小田地区の皆さんにとって小田深山は、まさに聖地。観光地化されていない深い渓谷ではオオルリがさえずり、苔むしたブナ林と岩盤が織りなす景観は地元に住むみなさんにとっても近くて遠くにある憧れの自然です。 

 第1回目は、小田地区の中心部にある自治センターを会場に、見慣れた景色の中からいかにして様々な情報に気づくかという練習をしました。普段の生活の中で何となく見ている景色ですが、よく見ているつもりでも実は見過ごしていることがたくさんあります。そこであえて足を止めて、意図的に感覚を開き、目を近づけたり、遠ざけたり、時間をかけながら観察することで実に多くのことに気づくことができるのです。

 最初に講義で発見を促す視点の持ち方についてお話しした後、参加者とともに近くの広瀬神社へ移動しました。境内に生えている1本のイチイガシの大木をみんなで取り囲み、「じっと見る」を実践してみました。すると、最初は目に入ってこなかった具体的な情報が目に留まるようになり、次々に小さな発見を拾うことができました。

1本のイチイガシからできるだけたくさんの情報を拾い出す

 

 例を挙げると、幹に着床したシダ、隠れるように咲いていたマルバマンネンソウ、地面と幹の境目付近で行き来する2種類のアリ。またジグモがハエを捕食している決定的瞬間を目撃したり、ハチやアブの仲間が飛んでいることを確認しました。また樹皮がボロボロとはがれた皮の裏では、正体はわかりませんでしたが、まゆがびっしり張り付いているのを見つけました。

 今度は少し後ろへ下がって、大きな樹を俯瞰した視点で見ると、その樹形や枝の伸び方からは、隣の木と太陽の光を取り合うためのポジション争いの様子が見て取れたり、大木のまわりの地面に生えている苔の生え具合から日照との関係を推測したり、時間をかけてみれば見るほど新しい情報を拾うことができました。

拾い出した情報を模造紙にまとめてみる。

 約1時間足らずの観察で、参加者の皆さんのフィールドノートは文字で埋まっていきました。参加者からは、「今まで神社はよく通りかかっていたけど、1本の木からこんなにたくさんの情報が読み取れるとは思わなかった。」「足を止めてじっくり見るなんてことしないからなあ」といった感想が聞かれました。

 身の回りの景色の中から情報に気づくには、特別な専門知識は必要としません。足を止めて、意識的に見ようとしさえすれば誰にでもできます。

みなさんも日ごろの散歩の中で「じっと見る」を意識するところから始めてみませんか?

★次回は、いよいよ小田深山で「じっと見る」ことを実践したご報告をしたいと思います。

 

2023/08/10

ニコンモナーク探鳥会「ツバメのねぐら入り観察会」を開催しました

 202385日(土)に、ニコンモナーク探鳥会『ツバメのねぐら入り観察会』を開催しました。

このイベントは、おもにこれからバードウォッチングを始めようとする方を対象に、野鳥を見る楽しさを知っていただこうというものです。参加者の方にはニコンの双眼鏡「モナークM7をお貸ししており、双眼鏡をお持ちでない方にも気軽に参加いただけるイベントです。

今回は、多摩川下流域のヨシ原にねぐら入りするツバメを観察しました。

ーーー

日没時刻の30分くらい前、多摩川六郷橋近くの観察場所に到着。

はじめに双眼鏡の使い方を確認しました。初めて双眼鏡を使うという方もおられましたので、目幅の合わせ方やピントの合わせ方などを、手順を追ってご紹介しました。

双眼鏡の説明を終えたころ「ツバメがたくさん飛んでます!」と声が上がりました。空を見上げると、数十羽程度のツバメの群れが空を飛び交う様子が見られました。


スタッフが「その方向の空を双眼鏡で見てみてください」と促すと、「うわ!すごくたくさんいる!」と驚きの声が上がりました。肉眼では、比較的近いところを飛んでいる数十羽程度のツバメしか見えませんが、双眼鏡を使うと、その奥、そのまた奥の空にも、無数のツバメが飛んでいることがわかるのです。

日没時刻が過ぎると、徐々にツバメたちはヨシにとまって休み始めます。

ヨシ原と観察場所との距離は300400mほど。双眼鏡の倍率では見えにくいので、ここからは望遠鏡の出番です。今回は、ニコン モナーク フィールドスコープ82ED-S など、レンズの口径が大きく、より明るく見える望遠鏡を使用しました。

望遠鏡でヨシ原を見ると、双眼鏡では見えなかった、たくさんのツバメがいることがわかります。ゆらゆら揺れるヨシにとまって休む様子や、時折飛び立ってはまたヨシ原に戻ってくる様子などをじっくり見ることができました。

その日は、1000羽を超えるツバメが集まっていたとみられました。

参加者の方々からは、「この近くに住んでいるのに、ここにこんなにたくさんのツバメが集まることを知りませんでした」「ツバメがこんな行動をとるとは驚きです」などの感想をいただきました。ツバメと彼らが利用するヨシ原という環境に興味を持っていただけたのではないかとうれしく思いました。


*このイベントは、株式会社ニコンイメージングジャパンのご協賛で開催しました。

 


8/10 「ツバメのねぐら入り観察会」にご参加の皆様へ

8/10 「ツバメのねぐら入り観察会」にご参加の皆様へ


当イベントは、予定通り開催いたします。

強風が予想されておりますため、状況によってはイベント中に

中止と判断する場合がございます。あらかじめご了承ください。

また、足元をお気をつけの上お越しください。


みなさまにお会いできますことを楽しみにしております。


※当イベントは事前申込制です。受付は終了いたしました。

参加いただける方には、事前にメールで詳細をお知らせしておりますので、ご確認ください。


公益財団法人日本野鳥の会 普及室

2023/08/05

8/5 「ツバメのねぐら入り観察会(ニコンモナーク探鳥会)」にご参加の皆様へ

8/5 「ツバメのねぐら入り観察会(ニコンモナーク探鳥会)」にご参加の皆様へ


当イベントは、予定通り開催いたします。

みなさまにお会いできますことを楽しみにしております。


※当イベントは事前申込制です。受付は終了いたしました。

参加いただける方には、事前にメールで詳細をお知らせしておりますので、ご確認ください。


公益財団法人日本野鳥の会 普及室

2023/08/01

今月の鳥「ノゴマ」

 

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。

ワイルドバード・カレンダー、8月の鳥は「ノゴマ」です。

 

撮影:藤野 千秋/撮影地:北海道

 

ノゴマは、喉元の赤色が美しい鳥です。

日本では北海道に夏鳥として渡来し、低地~高い山の低木林で繁殖します。

本州以南では秋に渡り鳥として低地や山地のやぶなどで見ることができます。

 

私がノゴマを見たのも、秋の渡りの時期、公園のやぶの中でした。

公園でバードウォッチングをしながら散歩していた時のこと、

カメラを持った人たちがやぶの前で何かを待っており、

何だろうと話を伺ってみると、ノゴマがいるよ!とのこと。

一緒に待っていると、やぶの中をヒョコヒョコと動くノゴマを見ることができました。

 

ノゴマは、喉元の赤色が特徴ですが、赤いのはオスのみ。

メスは全身が茶色っぽく地味な色をしています。

この時に見たノゴマはメスで、赤い喉を見ることはできませんでしたが、

ノゴマっぽい(?)顔つきで、独特のかわいさがあったことをよく覚えています。

 

ノゴマは本州では、比較的珍しい鳥です。

というのも、本州には渡りをする途中に立ち寄るだけなので、

滞在期間も短く、必然的に見るのが難しいというわけです。

ただ、渡りの時期であれば、ちょっとした緑地や公園で見ることもできます。

私がノゴマを見たのも、町中にある公園でした。

 

渡りの時期は、都市部の公園などでも、渡りの途中に立ち寄ったであろう、

予期せぬ鳥たちを見られることがあります。

まだまだ暑い時期が続きますが、もう少し涼しくなってきたら、

お近くの公園に通ってみるのはいかがでしょうか。

いつもとは少し違った鳥たちが見られるかもしれません。

 

スタッフMI

4/27「親子でバードウォッチング」にご参加の皆様へ

 4/27 森のいきもの観察DAY「親子でバードウォッチング」にご参加の皆様へ 当イベントは、 予定通り4/27に開催いたします 。 イベント当日は長袖長ズボン、履き慣れた靴など、歩きやすい服装でお越しください。 また、念のため、雨具もお持ちの上ご参加ください。 ご参加いただける...