日本野鳥の会が発行する、ワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2025年8月の鳥は、「コサギ」と「チュウサギ」です。
撮影:野間 修一/撮影地:鳥取県
この写真の2羽。ぱっと見たところ、どちらも同じように見えますが、
飛んでいるのがチュウサギ、水面にいるのがコサギです。
見分けるポイントはいくつかあります。
たとえば足指の色。コサギは鮮やかな黄色ですが、チュウサギは黒。
くちばしにも違いがあり、コサギは一年を通じて黒いのに対し、チュウサギのくちばしは季節によって変化します。春や夏には黒く、秋冬になると黄色へと衣替えするのです(ただし、個体差や季節の変わり目には例外もあります)。
名前の通り、体の大きさも目安になります。チュウサギのほうが、少し大きく見えるはずです。写真では確認できませんが、口角と目の位置関係にも違いがあります。
さらに、見た目だけでは分からない違いもあります。
コサギは日本に一年中いる留鳥ですが、チュウサギは春から夏にかけてやってくる渡り鳥。秋になると、チュウサギは南の地へと旅立っていきます。
小学生の頃、近所の田んぼで、白くて足の長い鳥をよく見かけました。
母に「あの鳥はなに?」とたずねると、「シラサギだよ」と教えてくれました。なるほど、とそのまま覚えていましたが、大人になって「シラサギ」が実は白いサギの総称だと知ったとき、あの田んぼの風景がふっとよみがえりました。
あの頃、もっと鳥に関心を持っていたら、「今日は何サギが来ているのだろう」と観察するおもしろさに気付けていたかもしれません。
チュウサギとコサギと一緒にいるようすは、そろそろ見納めです。
ちなみに、よく見られる白いサギとしては「ダイサギ」もいて、こちらもコサギ同様、一年中見ることができます。
もし白いサギを見かけたら、ちょっと立ち止まって、よく見比べてみてください。
スタッフE