日本野鳥の会が発行する、ワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2025年6月の鳥は「オオジシギ」です。
撮影:滝川 春満/撮影地:長野県
オオジシギは、シギ科のタシギに属し、サイズはハトよりすこしだけ小さく、長いクチバシとつぶらな瞳が特徴です。
日本にタシギの仲間は5種類いますがそのうち唯一オオジシギだけが日本で繁殖します。
繁殖シーズンは夏なので、日本では主に夏に見られる鳥です。そして秋になるとオーストラリアやタスマニア島に渡って越冬します。
主に湿地や草原、畑等で見ることができます。地味な色の鳥なので探し出すのは苦労しますが、夕方くらいの時間になると目立つ所に出てきて「ズビーッ」と鳴いていたり、オスが行う*ディスプレイ行動がユニークな為、他のタシギ(は主に冬鳥)と比べ、鳴き声のお陰で比較的見つけやすい鳥です。
オオジシギの*ディスプレイ(*求愛やなわばり宣言のための行動)は、とても独特です。
まず上空をズビーッズビーッと鳴きながら旋回した後、スッと尾羽を広げて一気にゴゴゴゴと大きな音を立てながら急降下をします。
その大きな音がまるで雷のようなので通称「カミナリ(雷)シギ」という異名もあります。
(↓こちらでオオジシギの動画を見る事ができます。)
https://www.wbsj.org/activity/conservation/endangered-species/oojishigi-project/contents/
今回ブログの記事を書くにあたり、
良い機会なのでオオジシギの研究をしたことがある先輩にインタビューしてみました。
・オオジシギのおすすめ観察スポットはどこですか?
「北海道が一番見やすいです。勇払原野、サロベツ湿地、釧路や根室、あと十勝の牧草地とか。」
・湿原に居るイメージですが、他に見られることはありますか?
「渡り鳥なので本州でも探せばいますが、確実に会いたいなら繁殖地のほうが見やすいと思います。」
・オオジシギのどんなところが魅力的ですか?
「オオジシギはディスプレイフライトをきっかけに研究を始めましたが、調べてみるとオスとメスで尾羽の数が違うことや、渡りの調査結果では北海道からニューギニアまでノンストップで飛んでいた事実などがわかっていたりなど、知れば知るほど生態的な魅力がたくさんありますね。」
オオジシギは、生息個体数の減少が懸念され、現在準絶滅危惧種に指定されています。
日本野鳥の会で行っているオオジシギの保全活動についてはホームページでも紹介しているので
よろしければご覧ください。
https://www.wbsj.org/activity/conservation/endangered-species/oojishigi-project/
スタッフMKでした。