日本野鳥の会が発行する、ワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2025年5月の鳥は、「スズメ」です。
撮影:野村 明/撮影地:愛知県
鳥に詳しい人も、そうでない人も、
「最も身近な野鳥はなんですか?」という質問には、
大多数の人が「スズメ」と答えるのではないでしょうか。
一年中みられて、人間に近い場所で暮らす、私たちになじみ深い野鳥です。
だれもが「知っている」と思っているスズメですが、
では写真などの資料無しで「スズメの絵を描いてみよう」といざ紙に向かうと、
色も模様も複雑で、とても難しいのです。
(ちなみに私が脳内の「スズメ」を絞り出して描いたスズメは、似ても似つかぬ謎の鳥になりました・・・)
わかっているつもりになっていて、実は知らない事がいかに多いか。
大いに反省しつつ、身近な自然にさらに興味を持つことができた経験でした。
そんなスズメを、カレンダーの美しい写真を見ながら、一緒におさらいをしてみませんか?
頭は濃い褐色(紫褐色)、背中は褐色で黒い縦班があり、翼には細い2本の白帯があります。
腹面は淡い褐色で、顔は白、嘴から目元にかけての部分と、喉元は黒色。
くちばしは円錐型、ひなは黄色ですが、だんだん濃くなり、大人になると黒色になります。
そして最大のポイントは、頬の黒い班!
いかがですか?これでしっかり描けそうでしょうか?
もし「もうちょっと教材(?)が欲しい・・・・」という方には、
鳥のおはなし絵本「すずめのまる」(箕輪義隆/絵 かんくちたかこ/文)(アリス館)が個人的にはとてもおすすめです。
絵本というと「子供向け?」と思われるかもしれませんが、
大人もじっくり見入ってしまう美しさ。
A4サイズ40ページの中に、図鑑画家でもある箕輪さんの描くスズメが躍動します。
是非、お手に取ってみてください。
箕輪義隆さんの絵本はバードショップでもお取り扱いをしております。
〈すずめのまる〉https://www.birdshop.jp/fs/wildbird/gd4417
身近な隣人スズメですが、近年、数が激減していることが調査研究で判明しています。
近年建てられた住宅が巣をつくりづらい構造になっていること、
町の中でエサをとれる緑地が減っていること、などが減少の要因と考えられています。
気づかぬうちに絶滅危惧種に近づいているスズメ。
これからもずっと一緒に暮らしてゆけるよう、大切に、見守ってゆきたいですね。
ちなみに、気軽に野鳥の応援団になれる「バードメイト寄付」、2025年はスズメです。
ピンバッジをつけていると、スズメについて考える時間が増えるな、と感じます。
〈「バードメイト寄付」について〉
https://www.wbsj.org/join/donation-and-fundraising/donation/mate_badge/
スタッフST