日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2024年8月の鳥はヨシゴイです。
撮影:村山
範隆 / 撮影地:群馬県
水辺に生えるヨシやガマのある場所に生息しています。大きさはカワラバトより少し大きいくらい(36cm)で、日本で見られるサギの仲間の中で最小です。
背中側は赤っぽい茶色、おなかはベージュ色で、その立ち姿から一部では「ミョウガの妖精」とも呼ばれています。
この鳥は擬態という特技をもっています。首の前側に茶色い一本の筋のような模様が入っており、首を伸ばすことでヨシになりきって敵に見つからないようにしているのです。また、エサとなるエビや小魚にも気付かれにくいというメリットもあります。
しかし、人間から見るとその擬態はバレバレです。ミョウガ畑に生息していればもう少しうまく姿を隠せたかもしれません。
ヨシゴイのほかにも多くの生き物が住んでいるヨシ原は、人間たちの住まいが広がるにつれてどんどん減り続けています。人口が増えると生活圏が拡大し、川の近くまで家を建てざるを得ないため、氾濫を防ぐ目的でヨシ原が埋め立てられてしまうのです。
その結果、ヨシゴイだけでなく小さな魚、虫などの生息地、そしてツバメのねぐらが少なくなっています。
ヨシ原には水をきれいにしたり、川岸に来る波をやわらげたりといろいろな良い効果があることが分かってきています。
野鳥にも人にも大切なヨシ原と、共存していける未来をめざしたいですね。