2022/07/01

今月の鳥「カツオドリ」

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに
掲載されている野鳥について紹介します。7月はカツオドリです。


撮影:森田康平/撮影地:東京都

「顔がカツオに似ているから、カツオドリ!」と、思っていたときがありました。

皆さんご存じかもしれませんが、カツオなど大型の魚に追われた小魚が海面に上がってきたところを狙い集まることから、「カツオドリ」となったようです。漁師たちは、カツオの魚群を知らせる鳥としていたとのことです。

 カツオドリとの最初の出会いは、東京の羽田空港近くの大井埋め立て地でした。台風が通過後、翌朝行ってみると、運河の上を見慣れない鳥が飛んでいました。あのときの感動は40年経った今でも心に残っています。台風は、鳥にとっては不運なことですが、普段出会えない鳥たちと出会える機会を提供してくれます。台風が来るとワクワクしてしまうのは、バードウォッチャーの悪い癖かもしれません。

 次の出会いは、10年ほど前に行った、西表島の沖にある「仲の神島」。カツオドリ、セグロアジサシ、クロアジサシなど1万羽以上が繁殖する島です。「仲の神島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定されていて、上陸はできないので、船の上から観察しました。驚くほどたくさんの鳥たちが乱舞する様子は、鳥の楽園のようで、その時間は夢のようでした。野鳥の生息地の破壊が進む日本に、まだこんなところがあるのかと、感動とともに、ほっとした気持ちになりました。

 そして、最近では、コロナ禍の前に行った有明海。「島原から熊本行のフェリーに乗ると、船についてくるよ」と知り合いに教えてもらい、「ほんとか?」と思いながら乗船してみました。乗ってはみたものの、やっぱりダメ。船についてくることを期待していましたが、ついてくるどころか、まったく姿を見せず。やがて熊本に着くというとき、ふと防波堤を見てみると、たくさんのカツオドリが休んでいました。

 某アウトドアメーカーのキャラクターとして有名なカツオドリですが、愛嬌のある顔と、よちよち歩きの姿は、何度でも見たくなります。九州まで行くのは少し遠いですが、かなりの確率で出会うことができるのでお勧めです。九州に行く際は、このフェリーに乗ってみてください。

スタッフTでした。

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