2025/09/27

ツバメを見守る輪_Vol.106_得々うどん大西店

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「ツバメの見守りありがとう」愛媛県の

「得々うどん大西店」に感謝状贈呈

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日本野鳥の会愛媛からの推薦で、
得々うどん大西店」へ感謝状を贈呈しました。

得々うどん大西店では、お店の出入り口や裏口に5個ほどのツバメの巣があります。

得々うどん大西店

得々うどん大西店のツバメたち

この店では、10年くらい前からツバメが子育てをしているそうで、地面にフン除けとして段ボールを敷くなどして見守っています。夜になると巣の近くの照明に留まって、寄ってくる虫をぱくぱく食べる姿が見られました。

店長の中西さんは、「ツバメが来ると、今年もこの時期になったなぁと感じます。ツバメのひなたちが巣から落ちないか心配しながらも見守っています。毎年、ひなが巣立つ瞬間を見るとうれしいです。ツバメに気づいて写真を撮っているお客さんもいますよ。」とお話されました。

こうした見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状をお送りしました。

▲ツバメ見守りステッカーも貼っていただきました!

中西さんからは、「ありがとうございます。大変光栄です。これを機に、
僕も従業員もみんなで一緒に見守っていきたいです。」とコメントをいただきました。

ツバメを見守る輪_Vol.105_松江市立佐太小学校

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「ツバメの見守りありがとう」島根県の

「松江市立佐太小学校」に感謝状贈呈

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松江市立佐太小学校」へ感謝状を贈呈しました。

松江市立佐太小学校では、毎年コシアカツバメが校舎に飛来し、営巣しています。
巣は校舎の各階に分散しており、児童が給食を摂る「ランチルーム」の外側にも巣があり、児童たちはコシアカツバメの様子を観察しながら、食事の時間を過ごしているとのことです。
▲軒先に並ぶコシアカツバメの巣

ほかにも、鳥に興味のある児童が中心となり、校内の営巣分布がまとめられ、校内新聞による情報発信も行われました。

▲校内の営巣分布図

先生方は、このような見守り活動を通じて児童たちが自然にふれあうことで、情操教育の一環となることも期待しているそうです。

こうした見守りに対して、日本野鳥の会より感謝状をお送りしました。

ツバメを見守る輪_Vol.104_農産物直売所 泉石蔵

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「ツバメの見守りありがとう」鹿児島県の

「農産物直売所 泉石蔵(いずみいしくら)」に感謝状贈呈

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農産物直売所 泉石蔵」へ感謝状を贈呈しました。

「泉石蔵」は、元々農協の米倉庫として使われていた建物でした。
2009年より、地元の農産物や加工食品等の販売、うどん・そばの食堂を始めたところ、その年に初めて1つがいのツバメがやって来て、子育てを行いました。それ以来、毎年やって来るようになり、現在では6、7つの巣があります。

ある年カラスが巣にやって来て、卵とヒナを襲う問題が起きたそうです。
その後、知り合いの米屋さんから店先に黄色のナイロン製の紐を下げたら良いとアドバイスがあり、それが功を奏してその後カラスはやって来なくなりツバメたちの安全は保たれるようになりました。

糞害の問題にも直面し、当初シートを広げて対応したものの、店が暗くなってしまったので、巣ごとに傘を広げてみたところ、糞害が解消され、お客さんも安心して買い物ができるようになったとのことです。
▲フン受けの傘にとまるツバメ

秋の渡りの時期になると、店先の電線にたくさんのツバメたちが集まり、まるでお別れの挨拶をするかのように店の周囲を何度も旋回し、旅立っていく様子が見られます。その光景に、店の方々も愛しさを感じておられるとのことです。

こうした見守りに対して、7月20日(日)に、日本野鳥の会かごしま県支部の手塚副支部長より、泉石蔵取締役の今和泉きく子さんへ感謝状が手渡されました。

▲感謝状贈呈のようす

ツバメを見守る輪_Vol.103_maisondes、道の駅 明宝

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「ツバメの見守りありがとう」 岐阜県の

「maisondes(メゾンド)」「道の駅 明宝」に感謝状贈呈

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日本野鳥の会岐阜からの推薦で、
「maisondes(メゾンド)」道の駅 明宝」へ感謝状を贈呈しました。
 
maisondes(メゾンド)は、各務原市にある美容院です。

数年前から、正面玄関の軒下にツバメが営巣するようになりました。
糞による汚れ対策として入り口下に新聞紙を敷いて処理をしており、他にはできるだけ自然のまま見守る姿勢で保護をされています。
▲ツバメの巣

▲ツバメを見守る高橋氏

今年は4月の桜が咲く頃にツバメが来訪し、営巣を始めました。玄関脇のガラス窓を通して、店内からツバメの子育ての様子を見ることができ、スタッフがカラス等の外敵に襲われないように見守っています。お客さんともツバメの話題になり、会話が明るく盛り上がるとのことでした。
 
こうした見守りに対して、7月12日(土)に、
日本野鳥の会岐阜の伊藤代表より、
maisondes店長の高橋さんへ感謝状が手渡されました。
▲感謝状贈呈のようす

贈呈の際に、高橋さんは事前の取材日以後のツバメの様子を楽しくお話くださいました。お客さんも自宅を訪れるツバメを我が子のようにお話くださり、来年以降も楽しみですと盛り上がりました。

道の駅 明宝

道の駅明宝では、年間で20組ほどのツバメが子育てをしています。

▲道の駅 明宝

昨年までは、糞が落ちないよう巣の下に板を設置していましたが、衛生上の課題もあり、かといって巣を落とすのも忍びないという思いから今年春に、テナントの店主らと話し合いを行いました。

その結果、店の出入り口や商品の受け渡し窓口など、営巣を避けてほしい場所は事前に金網を張るなどして巣が作られることを防護し、巣を作ってもよい場所に糞が落下する場合は、その下に人が立ち入らないようポールを立て、上に巣があることを表示することでお客様に被害がないよう工夫したそうです。お客様もツバメを温かく見守ってくれているとのことです。人とツバメの棲み分けによる共存ができていると感じています。

▲ツバメ注意の囲い

ツバメの巣は、卵からヒナになるまで子供たちにも見える場所に作られており、
その成長を見るのも子供たちの楽しみになっており愛着の形成にも役立っているとのことでした。
残念ながら今年はツバメの営巣は確認できませんでしたが、ツバメが来た時には、しっかり見守っていきたいとお話されました。

こうした見守りに対して、7月12日(土)に、
日本野鳥の会岐阜の河合福代表より、
株式会社明宝マスターズ 代表取締役店長の林 克也さんへ
感謝状が手渡されました。
▲感謝状贈呈のようす
ツバメの看板の前で記念撮影

林さんからは、「野鳥の会の方が(取り組みを)しっかり見ていてくれるのでありがたい」とコメントをいただきました。
また、「ツバメのいるときはクモの巣が無いが、ツバメが行ってしまうと、毎日クモの巣取りをしなければならない」とのこと。大勢の人でにぎわう道の駅でのツバメの子育ての見守りは大変ですが、道の駅とツバメのおもしろい共存関係も教えていただきました。

ツバメを見守る輪_Vol.102_合資会社 君島タクシー

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「ツバメの見守りありがとう」熊本県の

「合資会社 君島タクシー」に感謝状贈呈

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合資会社 君島タクシー」へ感謝状を贈呈しました。

合資会社 君島タクシーは、熊本県水俣市にあるタクシー会社です。

水俣市は野鳥の会の会員が少ない地区で、君島タクシーについても
ツバメのコロニーがあることが知られていませんでした。

たまたま近くを通った熊本県支部の会員さんが、熊本では見かける事が少なくなったイワツバメが多数飛び回っているのに気づき、車を降りて立ち寄った所、タクシー会社の車庫の上部に10個以上の巣が出来ており、盛んに子育てをしている最中でした。

会社の方にお話を伺ったところ、ここでは10年以上イワツバメが営巣しており、業務に使用する車両がフンで汚れないように気を遣う面もあるが、社員の方一同が、優しく子育てを見守っているとのことでした。

こうした見守りに対して、7月8日(火)に、日本野鳥の会熊本県支部の田中支部長より、
合資会社 君島タクシー 君島 徳昭さんへ感謝状が手渡されました。

▲感謝状贈呈のようす

君島社長は、「70年近く社屋にはイワツバメが営巣しています。
今回は私たちがツバメを見守っているということで受賞しましたが、
実際は逆に会社・従業員をツバメが見守ってくれているのだと思っ
ています。今後もずっと続けて行きたい。」とお話されました。

2025/09/26

ツバメを見守る輪_vol.101_浜村温泉 魚と屋

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「ツバメの見守りありがとう」鳥取県の

「浜村温泉 魚と屋(ととや)」に感謝状贈呈

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浜村温泉 魚と屋」へ感謝状を贈呈しました。

浜村温泉 魚と屋は、鳥取県鳥取市にある旅館です。
浜村温泉 魚と屋
昨年、支部の事務局にツバメが沢山来ているのだけどどうしたら良いでしょうか?と電話が有りました。今年になって様子を見に行ったところ、建物の周囲に沢山のコシアカツバメが巣を作っており、巣の修理中で飛び回っていました。特に最上階のひさしには20個以上の巣が並んでおり、非常階段の途中にも巣がありました。
▲天井に並ぶコシアカツバメの巣
支配人に様子を伺うと、コシアカツバメの子育てを見守っていて、巣があるのは通常は通らない非常階段や窓のひさしなので特に対策はしていないが、糞が落ちたらその都度掃除をして片づけているそうです。また、鳥取県レッドデータブックのツバメの頁と、ツバメの子育ての様子の写真をパネルにして館内に掲示し、お客様にもツバメが子育てをしているとお知らせして、見守りたいとのことでした。

こうした見守りに対して、7月5日(土)に、NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部の吉田支部長より、浜村温泉魚と屋 支配人の中野さんへ感謝状が手渡されました。
▲感謝状贈呈の様子

ツバメを見守る輪_vol.100_愛知県の6団体へ感謝状贈呈

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「ツバメの見守りありがとう」 愛知県の6団体

「公益財団法人 愛知県都市整備協会」、「御油郵便局」

「Family Salon LUCKY」、「サンヨネ豊川店」

「SHOES BOUTIQUE イシハラ」、「ファミリーマート豊橋大清水店」に感謝状贈呈

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愛知県の6団体へ感謝状を贈呈しました。
 
公益財団法人愛知県都市整備協会 
公益財団法人愛知県都市整備協会が管理する「東三河ふるさと公園」は、愛知県豊川市にあります。
東三河ふるさと公園
東三河ふるさと公園は創立19年になりますが、ツバメは創立直後から管理棟で営巣を始め、毎年、北管理棟と南管理棟をあわせて10か所ほどで子育てをしています。
管理棟は、多くのお客さまが利用するため、お客さまにフンがかからないようにフンよけを設置しています。
また、お子さんを連れた家族連れが、ツバメのヒナを見上げて眺めていることもあり、
利用者の方からもあたたかく見守られています。
▲巣から顔を出すツバメ
近年、街中では、ツバメをはじめとする野鳥を目にする機会が減ってしまっているので、このふるさと公園を訪れて、少しでも自然を感じてもらえればとのお話でした。

御油郵便局は、愛知県豊川市にある郵便局です。
▲御油郵便局
御油郵便局では、配送を行う出入り口のところの蛍光灯の傘の上で、毎年、ツバメの子育てが行われています。
郵便物にフンが落ちる心配がありましたが、今年は、郵便物に影響のない、隣の蛍光灯、しかも奥側のカラスなどの天敵に見つかりにくい位置に誘導することができました。
▲蛍光灯の上のツバメの巣
局員の方は、「ある時、郵便局を訪れたお客さんと一緒に、ツバメが局の中に入ってきてしまったことがあった。ツバメはパニックになってしまったが、局員みんなで、普段は開けることのない窓をすべて開放し、ツバメは無事に外に出ることができた。」とエピソードをお話くださり、「ツバメの飛来は、春の訪れを告げ、心を和ませてくれるものであり、豊川局の配送メンバーを含め、みんなが大切にしている。」とのことでした。

Family Salon LUCKYは、愛知県豊川市にある美容院です。
Family Salon LUCKY
Family Salon LUCKYでは、ツバメが10年以上、毎年子育てを行っています。
ツバメの巣は、入り口の照明の上に並んで2つあります。店舗の入り口に近い方の巣が新しく、最近はこちらに営巣することが多いです。
▲照明の上に作られたツバメの巣
街中ですが、川が近いためか、カラスや蛇がツバメの巣を狙ってやってくることがあり、巣から落ちた雛を育てて、無事に巣立ちさせたこともあったとのことです。
お子様連れのご家族など、お客様も「かわいい」と言って見守ってくれており、これからもツバメが来てくれる限り見守っていくつもりだとのお話でした。

サンヨネ豊川店は、愛知県豊川市にあるスーパーマーケットです。
▲サンヨネ豊川店
サンヨネ豊川店では、ずっと前から店舗の正面入り口のところに2か所、ツバメが営巣しています。巣がある場所は、ひさしの内側で、カラスなどの天敵からは見つかりにくいです。
以前は巣の下に「ツバメの巣に注意」の張り紙をし、コーンで囲っていましたが、昨年から傘をぶら下げるようにして、フンが下に落ちなくなりました。今後はこのやり方を継承していくつもりであるとのことでした。
▲フン受けのため傘を吊るしている
ツバメの巣を見上げて微笑んでいるお客様もおり、多くのお客様がツバメの巣を歓迎してくれています。ツバメの巣は商売繁盛の象徴でもあり、動物愛護の観点からも、今後も見守りを続けていきたいとのお話でした。

●SHOES BOUTIQUE イシハラ
SHOES BOUTIQUE イシハラは、愛知県豊川市にある靴屋さんで、
今年度の感謝状贈呈の対象団体「サンヨネ豊川店」の駐車場のすぐ隣にあります。
SHOES BOUTIQUE イシハラ
ツバメの営巣は、少なくとも5年以上前から始まりました。
巣は店舗の隅、お店の入り口からは外れたところにあり、お客様の出入りに支障はありません。毎年のことなので、ツバメの居る風景が当たり前となっており、お客様も歓迎してくれていました。ところが、昨年、ツバメが姿を見せることはなく、お店の方々は、とても残念に思っていたそうです。しかし、今年ツバメは、再び子育てをしに当店に帰ってきてくれました。「帰ってきてくれてありがとう」の気持ちを込めて、子育てを見守っています。
▲巣に詰まったツバメ

●ファミリーマート豊橋大清水店
ファミリーマート豊橋大清水店は、愛知県豊橋市にあるコンビニエンスストアです。
ファミリーマート豊橋大清水店
ツバメの巣がたくさんあると、利用客方から「ぜひ感謝状を贈呈してほしい」という声が寄せられたことがきっかけで、今回の贈呈対象となりました。
ツバメは十数年前から来ているそうで、初めは柱の上、次に防犯カメラの上とだんだんと数を増やして行き、今では毎年数か所で子育てが行われています。スズメが巣を乗っ取ろうとすることもありますが、そんな時は大勢のツバメが一丸となって雀を追い払うそうです。
▲抱卵するツバメ
フンなどを理由に、巣を撤去してしてしまう店もある中で、この店舗では、ツバメの飛来、子育て楽しみにしているお客様が多く、写真を撮ったり、ほほえましそうにヒナを見上げたりして、一緒に成長を見守ってくれています。
 
これらの見守りに対して、7月4日(金)に、
東三河ふるさと公園で感謝状の贈呈式が行われました。
当日は、日本野鳥の会愛知県支部の新實支部長から贈呈団体のみなさまへ、
感謝状が手渡されました。
贈呈式の様子は、テレビ局の方にも取材いただきました。
また、贈呈式に出席できない団体様へは、後日直接手渡しをしました。
▲贈呈式 記念撮影
右から、ファミリーマート豊橋大清水店様、
Family Salon LUCKY様、御油郵便局様、公益財団法人愛知県都市整備協会様、
新實支部長

▲テレビ局の取材を受けました

▲後日、贈呈を行いました!
SHOES BOUTIQUE イシハラ様

▲後日、贈呈を行いました!
サンヨネ豊川店様

ツバメを見守る輪_vol.99_JAみえきた 四季菜 尾平店

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「ツバメの見守りありがとう」三重県の

「JAみえきた 四季菜 尾平店」に感謝状贈呈

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日本野鳥の会三重からの推薦で、
JAみえきた 四季菜 尾平店」へ感謝状を贈呈しました。

JAみえきた 四季菜 尾平店は、三重県四日市市にある直売所です。

ここでは、店舗の入り口にツバメの巣があります。
巣の下には、フンが落ちないようにとひとつずつ団ボール箱が吊るされています。
「ツバメの子育て中」という注意書きとイラストも描かれており、ツバメに対する愛情が感じられます。
▲フン受けの段ボール

店舗の方々は、入り口付近の巣にはフン避けを設置して、お客様への配慮とイラストを入れて皆さんへ周知し、営巣の終わる7月まで見守りを続けているとのことでした。

こうした見守りに対して、6月26日(木)に、日本野鳥の会三重の近藤代表より、
JAみえきた 四季菜 尾平店の店長 小倉健仁さんへ感謝状が手渡されました。

ツバメを見守る輪_Vol.98_医療法人ピーアイエー ナカムラ病院

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「ツバメの見守りありがとう」広島県の

「医療法人ピーアイエー ナカムラ病院」に感謝状贈呈

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医療法人ピーアイエー ナカムラ病院」へ感謝状を贈呈しました。

医療法人ピーアイエー ナカムラ病院は、広島県広島市にある病院です。
周囲は山や畑に囲まれており、ツバメにはとても良い環境です。

医療法人ピーアイエー ナカムラ病院
▲病院からの景色
周囲には山や畑が広がる

ここでは、病棟の各所にツバメが巣を作っています。
あまり人が出入りしないような場所は、手が届きそうなところにまで巣があります。取材に伺ったときには、抱卵中のツバメもたくさんいました。

▲段ボールで保護されたツバメの巣

▲ツバメ注意の貼り紙

1か所では無人カメラを巣の前に仕掛け観察されており、その様子をインスタグラムに投稿して見守っているとのことでした。

病棟の中庭にはカラスなどの敵が来にくいのか、各階に巣がありツバメが飛び交っていました。

こうした見守りに対して、6月25日(水)に、日本野鳥の会広島県支部の茶村支部長より、
医療法人ピーアイエー ナカムラ病院の理事長 中村友美さんへ感謝状が手渡されました。

▲感謝状贈呈の記念撮影

2025/09/02

今月の鳥「アオゲラ」

日本野鳥の会が発行する、ワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。

2025年9月の鳥は、「アオゲラ」です。


撮影:山中 忍/撮影地:埼玉県


私が住んでいる東京郊外の公園では、5月の繁殖シーズンになるとアオゲラの声が聞こえてきます。

「ピューッ、ピューッ、ピューッ」という鋭い鳴き声が公園の中でこだまするようになると初夏が来たなあと実感します。


アオゲラはヒヨドリぐらいの大きさのキツツキの仲間ですが、ご承知のように硬い木にくちばしで穴をあけて巣を作ります。

どのくらいの硬さの木に穴をあけているんだろうと、一度試しにアオゲラの古巣の入り口に爪を立ててみたことがあるのですが、

どんなに根気よく頑張ってもびくともしませんでした。この時点で、

「ああ、生き物として負けてるな」と思いました。

なんといっても「飛ぶこと」と「硬い木を削ること」、私が道具を使わずに生身の体でどんなに頑張ってもできないことが二つもあるんですから。


アオゲラはシジュウカラやフクロウのように自然にできた木のうろや隙間を使って巣をつくるのではなく、自分で木に穴を掘って巣作りの場所を創出します。

自分に必要な環境を作り出す能力があるのですね。

木に穴を彫るという特殊能力を使って、東京近郊のアオゲラは1970年代以降、山間地から平地の都市部に繁殖場所を広げてきました。

里山で炭焼きが行われなくなり、大径木の木が増えてきたことや公園に植栽した樹木が大きく成長してきたことで、

巣をつくることができる木や森が都市部に増えたことと関係があるのでしょうか。


徐々に平地の都市部へ分布を広げてきたアオゲラですが、現在関東の都市部や都市近郊の公園ではナラ枯れが広がり、大径木の木がどんどん枯れています。

ナラ枯れによって木が枯れることは、一時的には食料となる虫が増えるのでアオゲラの繁殖にとってプラスかもしれません。

しかし、将来的には大径木の木が少なくなるわけですから、アオゲラが巣作りできる木は減っていくのではないかといわれています。

そうなるともしかしたら一度分布を広げたアオゲラは、徐々にまた山間部を残して減少していくのでしょうか。


こうした長い時間軸の鳥の分布の変化は、関東近県で行われている探鳥会の記録を追いかけていくと見届けることができると思います。

長い時間の流れを俯瞰しながら「この先どうなっていくんだろう」ということを想像しながら楽しむバードウォッチングも面白いと思いませんか?


今月の鳥「ハマシギ」

 日本野鳥の会が発行する、ワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。 2025年10月の鳥は、「ハマシギ」です。 撮影:森本 義光/撮影地:佐賀県 ハマシギは、日本の干潟や海岸に飛来するシギの仲間です。 季節によって羽が生え変わり、色が変わります。夏羽は背...