4月29日に、神奈川県大和市にある大和市自然観察センターしらかしのいえで、
大和市が管理する大規模緑地で活動するトコロジスト(※)の定例会議が開かれました。
大和市では2009年から毎年、市内の緑地保全を目的に、市民を対象にした
トコロジスト養成講座(全4回)を実施しており、講師は当会の箱田敦只が務めています。
この講座を修了した多くのトコロジストたちが市内の大規模緑地で活動しており、
季節の自然情報を集めたり、トレイルの補修や近隣住民を対象にした自然観察会を開催したりと、緑地の保全活動に取り組んでいます。
◀大和市自然観察センターしらかしのいえ
年に2回開催される定例会では、各緑地のトコロジスト代表者と、緑地の管理責任者である
大和市、市から緑地の維持管理を受託している(公財)大和市スポーツ・よか・みどり財団の3者が顔を合わせ、情報の共有や、課題解決にむけた議論などを行なっています。
当会は、アドバイザーとして毎回この会議に出席しています。
今回は、各緑地での利用者のマナー問題や、重機を入れた緑地の管理作業のスケジュール、
外来種であるタイワンリスの分布状況の共有などがなされました。
▲箱田からは、最近全国的に問題となってきている野鳥観察・撮影マナーに関する情報提供、
スマホ地図アプリを用いた自然情報の記録とデータの集約化の方法について提案しました。
トコロジストの中には、養成講座を修了してから10年以上活動されている方もいて、自分のフィールドに対する強い愛着と責任感を持っていることがひしひしと伝わってきました。
また、行政側もトコロジストから寄せられる現地の詳細な情報を頼みにしており、3者の良い信頼・協力関係が築かれていることがうかがえました。
当会は今後も大和市をはじめ、全国各地で活動しているトコロジストの皆さんを
応援していきたいと思います。
※トコロジストとは
「トコロ(所)」+「ジスト(~する人)」=「その場所の専門家」という意味です。
元 日本野鳥の会神奈川支部長の故・浜口哲一さんが提唱された言葉です。
自分のフィールドを一か所決めて通い、その場所の動植物だけでなく地形や歴史など、
幅広い分野に詳しい人のことを指します。
当会ではトコロジストの理念を広める活動を行なっています。
トコロジスト~自然観察からはじまる「場所の専門家」