日本野鳥の会が発行する、ワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2025年4月の鳥は「クロツグミ」です。
「クロツグミの魅力は何ですか?」と聞かれたら、多くの方は「声の美しさ」と答えるのではないでしょうか。
初夏の爽やかな森の中で朗らかなクロツグミの声を聴いていると、「今、すごく贅沢な時間を過ごしているなぁ…」とゆったりした気持ちになれます。
そんなクロツグミは、私にとって「鳥の鳴き声の判別」の難しさを教えてくれた鳥です。
まだ鳥の声の特徴がよく分からずにバードウォッチングをしていた頃、「声がとてもきれいなのは分かるんだけど、誰なのかは分からない…オオルリ?クロツグミ?」と、よく苦労していました。
かつての私のフィールドでは鳴き真似が上手なクロツグミがいたので、余計に判別が難しかった思い出があります。
図鑑を見てみると、クロツグミの鳴き声は「キーコキーコ」や「キョコキョコ」というフレーズで記載されていたりしますが、実際にフィールドへ出てさえずりを聴いてみると、その文字では聴こえなかったり、もっとフレーズが複雑だったり…と、ヒト・鳥ともに個人差が大きい部分があって、なかなか実感できなかったりします。
(私の耳では、クロツグミの「キーコキーコ」は「ヒッヒロヒッヒロ」に聴こえる…)
おまけに、鳥のさえずりには地方によってリズムやアクセント(?)に若干の違いがあるため、
フィールドを変えると、覚えたフレーズと違う…!と混乱することもあります。
では、どうやって鳥の声を判別するのか?
私は「声質で聴き分ける」という方法に辿り着きました。
グループ歌手が歌う曲を聴いたとき、最初は分からなくても声を覚えるとだんだん誰がどこを歌っているのかが分かってくるように、鳥の声をフレーズで覚えることをやめて、印象や聞いた時の感覚で覚えるようにしてみたのです。
とっても感覚的で抽象的な話になりますが……例えば、
「クロツグミの声は、澄んでいるけどとにかく大きくてよく響いて、歌手だったら倍音が多いタイプだ…。」
「自分の感覚でハッとするくらい通るなと思ったときはクロツグミだな…」
「オオルリはクロツグミより残響感はないけど、瞬発的に響く感じだな~」
「ヂヂヂで締めるときはだいたいオオルリだな」
「キビタキはオオルリより忙しい感じがする…」
「コガラのさえずりは哀愁がある音…」
などなど。
これに加えて頭上か地面か、どの高さから声が聴こえるかも合わせて意識すると、クロツグミが他の鳥の声を真似していても引っかからなくなってきました。
「同じ曲をカバーしていても、歌手が違えば印象が変わって聴こえる…」というのが、
鳥のさえずりにもあるんだな~と感じた瞬間でした。
さて、これからのシーズンは鳥たちのさえずりを思い切り楽しめる季節!
フィールドに足を運んで、自分なりに鳥の歌声を解釈して楽しんでみる…
そんなゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
「最近、鳥の鳴き声が聴こえにくくなってきた…」という方には、
鳥の高い声を拾いやすくするように設計された集音器「探聴サポート」がおすすめです。
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