今年の冬は例年にないペースで、高病原性鳥インフルエンザ(以下、鳥インフルエンザ)が野鳥において発生しています。
鳥インフルエンザは、鳥の病気です。養鶏場などのように鳥と濃密な接触をすることがない限り、人への感染は過度に心配する必要はありません。しかし、バードウォッチングによって、知らず知らずのうちにウイルスを運んでしまい、被害の拡大に加担してしまうことがあり得ます。
ここでは、このようなことを避けるためにはどのようなことに気を付ければよいのかについてお伝えします。
◆◆ 水辺でのバードウォッチングの注意
鳥インフルエンザは、カモ類などの水鳥が主な宿主とされています。水鳥が集まる池や湿地、湖でバードウォッチングをするときには特に注意が必要です。
バードウォッチングによってウイルスを広げてしまうケースとは、靴や車のタイヤなどに付着したウイルスを周囲の養鶏所などへ移動させてしまうことを想定しています。
そこで、以下の点に配慮していただくようにお願いいたします。
(1)水鳥の糞が多量に落ちているような水際まで近寄らないようにしましょう。
(2)探鳥場所から移動する前には、靴底、三脚の足、自動車のタイヤなど、地面に接したものを消毒しましょう。汚れが残っていると効果が低下しますので、泥をよく落としてから消毒しましょう。消毒薬には「消毒用アルコール」が入手しやすく、おすすめです。
※消毒薬は使用上の注意に従って十分注意して使用してください。
(3)できれば、 1日のうちに、複数の探鳥地を行き来しないようにしましょう。どうしても必要な場合は、移動の前に消毒をしましょう。
(4)帰りに、養鶏場やアヒル等の飼育場、動物園などには近づかないようにしましょう。
◆◆ 野鳥の死体を発見した場合
鳥の死体や弱っている個体を発見した場合は、素手ではふれないでください。
同じ場所で複数の死体を見つけた場合は、市町村や都道府県にご連絡ください。死体の鳥インフルエンザ検査については、国内での発生状況や種類によって異なります。
詳しくは、環境省の『野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル簡易版(PDF)』をご覧ください。