日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
今月の鳥は「ミユビシギ」です。
撮影:宇仁 愛治/撮影地:石川県
ミユビシギは全長20cmほどの小型のシギの仲間です。
日本では、主に冬鳥または旅鳥として、全国の砂浜、河口、干潟などで見られます。
繁殖地は北極圏のツンドラ地帯、越冬地は日本からオーストラリアまでの海岸と、移動距離の長いものでは毎年片道10,000km以上もの長距離を移動する渡り鳥です。
突然ですが、そんなミユビシギについて、以前から思っていたことがあります。
「打倒!シマエナガ!」
そう思っている人は、意外と多いはず。。。
これからの時期、冬羽のミユビシギをよく観察してください。白くて丸くて、かわいくて、群れていて、、、
最近ちやほやされているシマエナガに負けていないはず!
おまけに砂浜の波打ち際を走る様子は、シマエナガには無い、動きでも楽しめる鳥です!
なので、ぜひ、砂浜で観察して欲しいのです。
シギ・チドリ類と言えば、干潟、水田という環境を思い浮かべる人が多いと思いますが、ミユビシギのメイン生息地は、砂浜。
干潟では見られない、砂浜の波打ち際を、テケテケテケテケ……と、群れでダッシュする砂浜のスペシャリスト的な本当のミユビシギの姿が観察できるはずです!波から逃げる時は足が波につかることはありません。ギリギリの間合いです。
ミユビシギが多く生息している場所は、国内最大の生息地である千葉県九十九里浜や、石川県の砂浜などですが、全国的に分布しています(シマエナガは北海道だけ)。
ミユビシギの基本生態は、図鑑やネットで調べていただくとして、せっかくなので、あまり知られていないミユビシギのヒミツ?をお知らせしたいと思います。
・実は、岩礁海岸や護岸でも餌をとる(わりとなんでも食べます)。
・6月~7月を除けば(関東では)ほぼ1年中観察できる(もはや留鳥?)。
・図鑑に記載されている鳴き声は間違っていることが多い気がする(それはたぶんハマシギの声だぁ)。
・アカデミー賞を受賞した短編アニメ「ひな鳥の冒険」のモデルと思われる(いや間違いない)。
・アニメ「ひな鳥の冒険」のミユビシギの生態は、よく見るとおかしな点がいくつかある(いくつ見つけられるかな?)。
・意外と気が強い。厳冬期には自分の周囲に縄張りをつくる時がある(これはマイナスイメージか!?)。
気になった事があったら、ぜひいろいろ調べて、そしてミユビシギを見てみてください。
「打倒!シマエナガ!」
いや、もちろんシマエナガもかわいいですよ。
(以上、個人の見解です。あしからず。)
スタッフN。