日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2024年2月の鳥は、アトリです。
撮影:今 兼四郎 / 撮影地:青森県
昨年12月の関東はアトリ科の情報が多く聞かれました。
スタッフの間でも週末のバードウォッチングの計画が進められ、週明けにはお土産話で盛り上がりました。
そんなアトリ科の代表アトリ。
初めて見た私の第一印象は「スズメに似ているけど何か違う鳥」でした。
スズメが体長14.5cm、アトリは体長16cm。
スズメより少し大きいですが野外で見る時はほぼスズメ大に見えます。
北から秋頃渡ってくる冬鳥で、時には大きな群れを作ります。
スズメとの違いは胸や肩の橙色とお腹の白色。
よく見ると脇に小さな黒の斑点模様があるのもスズメとは違います。
頭の柄は個体差や時期により様々ですが、オスは春先からどんどん黒くなっていきます。
この頭の羽、茶色の羽がまばらに抜けて黒い羽が新しく生えているのかと思っていましたが、違うようです。
当会人気のイベント「初心者のための安西さんのオンライン野鳥講座」のアトリ科のお話のなかで、「アトリのオスの頭の羽は、1本単位で見た時先端が茶色で下の方は黒い色をしたものが冬羽として生えてくる。先端の茶色い羽毛は柔らかいため冬の間摩耗し、下の黒い羽毛は丈夫なため残っている」というお話がありました。そんな色の変わり方をするなんて、目からうろこが落ちる思いでした。
私がアトリを初めて見たのは昨年の冬。
母に当会で販売している双眼鏡のスターターセットをプレゼントし、初めてのバードウォッチングに連れて行った時のことです。
実家近くの大きめの公園に行き、カラ類など見られたらいいなと思っていました。
到着してすぐ、広場の上空をぐるぐる回る30羽ほどの小鳥の群れ。
そのうち目の前の林の斜面にふわっと舞い降りました。
練習した双眼鏡の見方で、斜面の枯れ草の中をガサゴソしている小鳥を観察します。
はじめは枯れ草との保護色でなかなか見つけられませんでしたが、目が慣れて1羽見つけられるようになると、あちこちで動いている姿が見えるようになります。母も遅れて見つけられるようになり、2人で夢中で観察しました。
スズメのようだけどスズメよりも橙色が目立ち、頭や背中の柄も複雑。図鑑を片手に大きさや特徴を1つ1つ確認し、2人でアトリではないかと結論を出しました。
初めてのバードウォッチングと初めて見た鳥、母と私にとっての思い出の鳥となりました。
それ以来バードウォッチングにはまった母は地元支部に入会。
今も探鳥会に参加し楽しんでいるようです。
アトリは主に山地や農耕地で見られる鳥ですが、街中の緑地に群れでいることもあるようです。身近にいるスズメだと思っていた小鳥は、よく見たらスズメではないかもしれません。
まだ冬鳥のシーズン中なのでこの機会にじっくり観察してみてはいかがでしょうか。
スタッフYTでした。
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初心者の方を対象に野鳥の楽しみ方をご紹介している「初心者のための安西さんのオンライン野鳥講座」。
毎月テーマを変えて観察のポイントや見分け方などをご紹介しています。
日本野鳥の会の図鑑の解説も行っている安西英明による、基本的なことから知っているとより楽しいさまざまな知識のお話などご興味がありましたらぜひご参加ください。
イベント情報はメールにて配信中。登録がまだの方はこちらから。
https://www.wbsj.org/about-us/group/tanchokai/bw-mail-delivery/
母にプレゼントした双眼鏡スターターセットはこちら
https://www.birdshop.jp/fs/wildbird/c/telescope1/
バードウォッチング初心者におススメの双眼鏡。
野外での識別に特化した図鑑とのセットで、手に入れてすぐにバードウォッチングが可能です。
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