2026/06/02

「耳で楽しむバードウォッチング」(新宿区立戸山図書館)


日本野鳥の会では、バリアフリー探鳥会を開催するなど、障害をお持ちの方にもバードウォッチングを楽しんでいただくための取り組みを進めています。

202659日(土)に新宿区立戸山図書館(東京都新宿区)のイベント「耳で楽しむバードウォッチング」に講師として参加しました。このイベントは視覚障害者と晴眼者が混じって、聞こえる音に意識を向けてバードウォッチングをするイベントです。

合計で32名が参加され、うち視覚障害者が14名でした。

探鳥会の最初は、まず「お勉強」です!室内で5月頃(繁殖シーズン)のバードウォッチングの魅力についてレクチャーします。その後、代表的な鳥とその鳴き声を聞いてもらい、鳴き声クイズに答えてもらいました😁


オナガについて解説中


次は野外に出て、いよいよバードウォッチング👀図書館に隣接する公園へ、移動します。

この日は少し風が強く、公園内はざわめくような風の音に包まれていました。その中で、耳を澄ませているとだんだんと野鳥の声が聞こえてきます。

「ヒーヨヒーヨ」「ツピーツピーツピー」

ヒヨドリシジュウカラの声が聞こえてきました。他にもスズメムクドリなど身近な鳥たちが鳴き声を聞かせてくれました。


ヒヨドリ※イメージ


また、聞こえた音を記録していきます。どの方向からどんな音が聞こえたか集中して聞き取ってもらい、障害者の方はヘルパーさんやご家族の方が手伝って、記録用紙に書き込みました。 


▲聞こえた音を用紙に記録 


最後にどんな音が聞くことができたか復習です。2グループに分かれての観察だったのでそれぞれ聞こえた音に違いがありました。都市の公園でも多くの野鳥の声を聞くことができました!


▲どんな音が聞こえたか発表🎤


参加者の方からは「初めに野鳥について説明があったので答え合わせをするように楽しめた」「いつも鳴き声を聞いても何という鳥かわからなかったので、今回その声の持ち主を知ることができてよかった」などの感想をいただきました。

鳴き声について深く理解をしようとする機会は多くないと思います。今回のような探鳥会を機に参加者の方には野鳥たちの鳴き声の世界へ足を踏み入れてもらえたら嬉しいです。

これからも日本野鳥の会では、どんな人でも楽しめるバードウォッチングの機会を提供できるよう、取り組みを続けていきます。

今月の鳥「ベニマシコ」

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。

2026年6月の鳥は「ベニマシコ」です。

撮影:石橋 孝継/撮影地:北海道

本州では冬鳥の代表格として親しまれている野鳥です。

夏になると繁殖のため、主に北海道へ移動します。


カレンダー写真に写っているのは、オスの夏の姿です。

オスは繁殖期になると、宝石のルビーを思わせる美しい紅色に染まり、

「フィッ」「ピッポ」と澄んだ声で鳴きます。

まだその声を聞いたことのない方がいれば、ぜひ一度は耳にしていただきたい!

そう思わず願ってしまうほどの美しさです。

明るく軽やかな音調は、遠くにいてもはっきりと響き、心地よい余韻を残してくれます。


冬の姿は茶色が基調で、やや控えめな印象です。

体の大きさはスズメと同じくらいですが、クチバシが小さいため小顔に見え、

さらに尾羽が少し長いので、全体としてすらりとした印象を与えます。

注意して観察すれば、肉眼でも「あれはスズメではない」と気付くことができるでしょう。


双眼鏡や望遠鏡でじっくり観察すると、

いわゆる“おちょぼクチバシ”ながら、種子をしっかりと食べられるよう、ほどよい太さを備えていることが分かります。

その絶妙なバランスが、どこか微笑んでいるような表情に見え、

個人的にはそこがとても愛らしく、気に入っているところです。


私も一度は、夏の赤いベニマシコをこの目で見てみたいと思い、

北海道を訪れた際に探してみました。

しかしもともと警戒心が強く、夏は冬と違って葉の茂る低木林に生息しているため、

ひょっこりと見やすい場所に姿を現してくれることは少なく、

良く言えば奥ゆかしい野鳥だと感じました。

すぐ近くで美しい鳴き声が聞こえても、その姿を見つけられないのは、

少しもどかしくもありましたが、

目を閉じてその声に耳を澄ませる時間も、また格別の贅沢です。


ベニマシコを探すコツとしては、草原と林の境目のような場所で、

木の高いところよりも低木の中層あたりを探すのがよいそうです。

運がよければ、鳴きながら移動している最中に、

ひょっこり姿を見せてくれることもあるとのこと。


また、詳しい方にお話をうかがったところ、こんなアドバイスもいただきました。

「人の身長より少し低いくらいの、開けた草原や湿原だと比較的見つけやすいです。

草に隠れていることもありますが、草原ではときどき少し高いところに出てくるので、

その瞬間を見逃さないのがコツですね。」


自然の中でじっと待つ時間も含めて、

こうした出会いの偶然も野鳥観察の楽しさだと思います。


スタッフMK


「耳で楽しむバードウォッチング」(新宿区立戸山図書館)

日本野鳥の会では、バリアフリー探鳥会を開催するなど、障害をお持ちの方にもバードウォッチングを楽しんでいただくための取り組みを進めています。 2026 年 5 月 9 日(土)に 新宿区立戸山図書館 (東京都新宿区)のイベント「耳で楽しむバードウォッチング」に講師として参加しま...