日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2026年6月の鳥は「ベニマシコ」です。
本州では冬鳥の代表格として親しまれている野鳥です。
夏になると繁殖のため、主に北海道へ移動します。
カレンダー写真に写っているのは、オスの夏の姿です。
オスは繁殖期になると、宝石のルビーを思わせる美しい紅色に染まり、
「フィッ」「ピッポ」と澄んだ声で鳴きます。
まだその声を聞いたことのない方がいれば、ぜひ一度は耳にしていただきたい!
そう思わず願ってしまうほどの美しさです。
明るく軽やかな音調は、遠くにいてもはっきりと響き、心地よい余韻を残してくれます。
冬の姿は茶色が基調で、やや控えめな印象です。
体の大きさはスズメと同じくらいですが、クチバシが小さいため小顔に見え、
さらに尾羽が少し長いので、全体としてすらりとした印象を与えます。
注意して観察すれば、肉眼でも「あれはスズメではない」と気付くことができるでしょう。
双眼鏡や望遠鏡でじっくり観察すると、
いわゆる“おちょぼクチバシ”ながら、種子をしっかりと食べられるよう、ほどよい太さを備えていることが分かります。
その絶妙なバランスが、どこか微笑んでいるような表情に見え、
個人的にはそこがとても愛らしく、気に入っているところです。
私も一度は、夏の赤いベニマシコをこの目で見てみたいと思い、
北海道を訪れた際に探してみました。
しかしもともと警戒心が強く、夏は冬と違って葉の茂る低木林に生息しているため、
ひょっこりと見やすい場所に姿を現してくれることは少なく、
良く言えば奥ゆかしい野鳥だと感じました。
すぐ近くで美しい鳴き声が聞こえても、その姿を見つけられないのは、
少しもどかしくもありましたが、
目を閉じてその声に耳を澄ませる時間も、また格別の贅沢です。
ベニマシコを探すコツとしては、草原と林の境目のような場所で、
木の高いところよりも低木の中層あたりを探すのがよいそうです。
運がよければ、鳴きながら移動している最中に、
ひょっこり姿を見せてくれることもあるとのこと。
また、詳しい方にお話をうかがったところ、こんなアドバイスもいただきました。
「人の身長より少し低いくらいの、開けた草原や湿原だと比較的見つけやすいです。
草に隠れていることもありますが、草原ではときどき少し高いところに出てくるので、
その瞬間を見逃さないのがコツですね。」
自然の中でじっと待つ時間も含めて、
こうした出会いの偶然も野鳥観察の楽しさだと思います。
スタッフMK
