日本野鳥の会が発行する、『ワイルドバード・カレンダー』に掲載されている野鳥について紹介します。
2024年12月の鳥は「キレンジャク」です。
撮影:長友 逸郎 撮影地:北海道
実は私、「ヒ」レンジャクは見たことがあるのですが、「キ」レンジャクはまだ出会ったことがないので、会ってみたい憧れの鳥です…。
カレンダーの写真は、キレンジャクたちがエサを食べに来ているシーンでしょうか。
というのも、目を引くような真っ赤な実の色は植物にとって「食べて~!」のサイン。
鳥たちにエサとして木の実をまるごと食べてもらい、飛んでいった先でフンと一緒に種を蒔いてもらう…いわゆる「種子散布」という戦略を成功させるための色なのです。
なんとも面白いギブアンドテイクの関係ですよね。
さて、12月といえばクリスマスシーズン。
日本ではまだあまりなじみがないように思うのですが、
西洋では古くからクリスマスのモチーフに「ヤドリギ」が使われてきました。
ヤドリギとは、地表から生えるのではなく広葉樹の枝や幹に寄生する面白い植物です。
常緑性なので冬でも青々と茂り、薄緑や黄金色の実をつける様子が「繁栄」や「永遠」のシンボルとされてきました。
そこから転じて、クリスマスにヤドリギの下でキスをしたカップルは幸せになれる…という言い伝えもあるのだとか。
(映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』や『トイ・ストーリー』にも、この言い伝えを象徴するシーンがありますよ。)
…少し話がそれましたが、このヤドリギもレンジャクたちの大好物。私が「ヒ」レンジャクを初めて見たのも、ヤドリギの枝の上でした。
しかし、ヤドリギの実には、ちょっとした癖があります。
「ヤドリギを食べるとフンがネバネバになって、なかなか切れなくなってまう」のです……。
このネバネバで地面に落ちる前に他の枝に張り付き、根を下ろそうというのがヤドリギの戦略なんですね。
そのため、ヤドリギを食べたレンジャクはフンが切れるまで動けなくなってしまいます。
ネバネバしたフンが風にぶらーんと揺れているさまは、なんだかとてもシュールです。
どんな気持ちなんだろう…。
私もこのネバネバが気になってヤドリギの実を一粒食べてみたことがありますが、
噛んで飲み込んだ後、30分以上ずーっと口の中と喉にネバネバ感が残りました。。。
(味は柿と桃を足して2で割ったものを水でかなり薄めたような感じです)
鳥たちは丸呑みしてしまうので、気が付かないのでしょうか?
確かにこれをいっぱい食べていたら、なかなか切れないフンになるよなぁ、と納得しました。
※野草を食べる際には十分に注意してください。
そんなレンジャクの暮らしぶりが日本で見られるようになるのは、寒さがいよいよ本格的になってくるこれから。
「ヒ」レンジャク、「キ」レンジャクともに冬鳥なので年によって数が多かったり少なかったりしますが、この冬はたくさん来てくれることを祈って、今シーズンこそキレンジャクに会いたいな…と思うのでした。
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これからの冬鳥シーズンに備えて、ぜひ自分用のクリスマスプレゼントにいかがでしょうか?
スタッフFでした。