2024/12/17

バードウォッチングに出かける際の鳥インフルエンザへの配慮のお願い

この冬も、国内で高病原性鳥インフルエンザ(以下、鳥インフルエンザ)の野鳥での確認例が報告されるようになりました。

今シーズンの野鳥における鳥インフルエンザの発生状況は例年になく多くなっています。11月末時点で昨年は51件だったのに対して、今年は64件(検査中の事例を含む)。家禽では昨年は3件であったのに対して11件の発生が起きています。

鳥インフルエンザは、鳥の病気です。養鶏場などのように鳥と濃密な接触をすることがない限り、人への感染は過度に心配する必要はありません。しかし、バードウォッチングによって、知らず知らずのうちにウイルスを運んでしまい、発生の拡大に加担してしまうことがありえます。


ここでは、このようなことを避けるために、どのようなことに気をつければよいのかについてお伝えします。


◆◆ 水辺でのバードウォッチングの注意


鳥インフルエンザは、カモ類などの水鳥が主な宿主とされています。水鳥が集まる池や湿地、湖でバードウォッチングをするときには特に注意が必要です。

バードウォッチングによってウイルスを広げてしまうケースとは、靴や車のタイヤなどに付着したウイルスを周囲の養鶏場などへ移動させてしまうことを想定しています。

そこで、以下の点に配慮していただくようにお願いいたします。

 

1)水鳥の糞が多量に落ちているような水際まで近寄らないようにしましょう。


2)探鳥地から移動する前には、靴底、三脚の足、自動車のタイヤなど、地面に接したものを消毒しましょう。汚れが残っていると効果が低下しますので、泥をよく落としてから消毒しましょう。消毒薬には「消毒用アルコール」が入手しやすく、おすすめです。

消毒薬は使用上の注意に従って十分注意して使用してください。


3)できれば、1日のうちに、複数の探鳥地を行き来しないようにしましょう。どうしても必要な場合は、移動の前に必ず消毒をしましょう。


4)帰りに、養鶏場やアヒル等の飼育場、動物園などには近づかないようにしましょう。


 

◆◆ 野鳥の死体を発見した場合


鳥の死体や弱っている個体を発見した場合は、素手ではふれないでください。同じ場所で複数の死体を見つけた場合は、市町村や都道府県にご連絡ください。

死体の鳥インフルエンザ検査については、国内での発生状況や種類によって異なります。


詳しくお知りになりたい方は、環境省の

野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル簡易版(PDF』をご覧ください。

 


◆◆ 鳥インフルエンザが近くで確認されたら


鳥インフルエンザが発生した探鳥地に行くのは控えましょう。ウイルスが増殖している場所に大勢の人間が押し掛けることは、それだけウイルスの拡散を助長させる恐れがあります。

また、観察場所の半径 10kmの範囲で鳥インフルエンザが確認された場合は、靴底消毒を徹底するなど、前掲の「水辺でのバードウォッチングの注意」を参考に配慮をお願いいたします。

 

◆◆ 最後に


冬の水辺は見どころが多く、バードウォッチングに出かける機会が多い季節と思います。いつにもまして、野鳥への配慮や人間社会の生活への配慮が必要な状況となってきています。適切な対策をとることで、周囲の理解を得ながら、バードウォッチングを楽しんでいただけますようご協力をお願いいたします。

 

◆◆ 参考情報 


状況は日々更新されますので、最新の状況は環境省のサイトでご確認ください。


高病原性鳥インフルエンザに関する情報(環境省)

 

 

2024/12/06

【イベントのお知らせ】12/19初心者のための安西さんのオンライン野鳥講座のご案内

 


初心者のための安西さんのオンライン野鳥講座

 (Zoomによるライブ配信&見逃し配信) 

 12/19(木)19時~ ★要申込

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バードウォッチング初心者の方を対象に野鳥の楽しみ方をご紹介! 

今月のテーマは、「アイサの仲間を知ろう!カモに似た鳥たち」です。

ミコアイサ、カワアイサ、ウミアイサに注目して、

見つけ方や見分け方、知って楽しいさまざまな知識をお話しします。


基本的なことから、知っているとより観察を楽しめる情報まで

ご紹介しますので、バードウォッチングをしたことがない方にもおすすめです。


★そもそもカモってどんな鳥?

 過去のイベントの様子を公開します!

【お試し視聴】安西さんのオンライン野鳥講座~カモのなかま編~

https://youtu.be/TcAqtOkmAqM


ご参加お待ちしております。

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▼実施概要

【日時】2024年12月19日(木)19時~1時間15分程度

【開催方法】オンライン会議システム「Zoom」でライブ配信&見逃し配信

【講師】安西英明[(公財)日本野鳥の会 参与]

【参加費】原則無料

※当会の事業継続のためご支援をいただきたく「あとから参加費」をご案内します。

 ご賛同いただける方はイベント終了後に1口500円の参加費をお願いいたします。

【申込方法】以下の「申込フォーム」よりお申込み下さい。

https://pro.form-mailer.jp/fms/51eaafbf324874



**見逃し配信について

イベント開催後2週間程度、録画をご覧いただけます。

視聴方法は、申込者の方へメールでお知らせします。

見逃し配信のみをご希望の方も、上のフォームからお申込みください。


【締切】12/16(月) 

【視聴方法】12/17(火)に参加方法をメールでお送りします。

メールが届かない場合は、お手数ですが、お知らせください。


【その他】

ご視聴にはインターネットにつながるパソコン(推奨)と

スピーカーかイヤホン、またはスマートフォンやタブレットが必要です。

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**お友達への紹介歓迎です!**

この講座をお友達などへ紹介する場合は、上記「申込フォーム」をお伝えし、

お申込みをしていただきますようお願いいたします。

申し込み後、当会より参加のご案内をお送りいたします。

より多くのみなさまのご参加をお待ちしております!

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【主催】公益財団法人 日本野鳥の会

【本イベントに関するお問い合わせ先】

公益財団法人 日本野鳥の会 普及室 普及教育グループ

 E-mail event@wbsj.org 

2024/12/02

今月の鳥「キレンジャク」

日本野鳥の会が発行する、『ワイルドバード・カレンダー』に掲載されている野鳥について紹介します。

202412月の鳥は「キレンジャク」です。

 


撮影:長友 逸郎 撮影地:北海道


実は私、「ヒ」レンジャクは見たことがあるのですが、「キ」レンジャクはまだ出会ったことがないので、会ってみたい憧れの鳥です…。

カレンダーの写真は、キレンジャクたちがエサを食べに来ているシーンでしょうか。

 

というのも、目を引くような真っ赤な実の色は植物にとって「食べて~!」のサイン。

鳥たちにエサとして木の実をまるごと食べてもらい、飛んでいった先でフンと一緒に種を蒔いてもらう…いわゆる「種子散布」という戦略を成功させるための色なのです。

なんとも面白いギブアンドテイクの関係ですよね。

 

さて、12月といえばクリスマスシーズン。

日本ではまだあまりなじみがないように思うのですが、

西洋では古くからクリスマスのモチーフに「ヤドリギ」が使われてきました。

ヤドリギとは、地表から生えるのではなく広葉樹の枝や幹に寄生する面白い植物です。

常緑性なので冬でも青々と茂り、薄緑や黄金色の実をつける様子が「繁栄」や「永遠」のシンボルとされてきました。

そこから転じて、クリスマスにヤドリギの下でキスをしたカップルは幸せになれる…という言い伝えもあるのだとか。

(映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』や『トイ・ストーリー』にも、この言い伝えを象徴するシーンがありますよ。)

 

…少し話がそれましたが、このヤドリギもレンジャクたちの大好物。私が「ヒ」レンジャクを初めて見たのも、ヤドリギの枝の上でした。

しかし、ヤドリギの実には、ちょっとした癖があります。

「ヤドリギを食べるとフンがネバネバになって、なかなか切れなくなってまう」のです……。

このネバネバで地面に落ちる前に他の枝に張り付き、根を下ろそうというのがヤドリギの戦略なんですね。

そのため、ヤドリギを食べたレンジャクはフンが切れるまで動けなくなってしまいます。

ネバネバしたフンが風にぶらーんと揺れているさまは、なんだかとてもシュールです。

どんな気持ちなんだろう…。

 

私もこのネバネバが気になってヤドリギの実を一粒食べてみたことがありますが、

噛んで飲み込んだ後、30分以上ずーっと口の中と喉にネバネバ感が残りました。。。

(味は柿と桃を足して2で割ったものを水でかなり薄めたような感じです)

鳥たちは丸呑みしてしまうので、気が付かないのでしょうか?

確かにこれをいっぱい食べていたら、なかなか切れないフンになるよなぁ、と納得しました。

※野草を食べる際には十分に注意してください。


そんなレンジャクの暮らしぶりが日本で見られるようになるのは、寒さがいよいよ本格的になってくるこれから。

「ヒ」レンジャク、「キ」レンジャクともに冬鳥なので年によって数が多かったり少なかったりしますが、この冬はたくさん来てくれることを祈って、今シーズンこそキレンジャクに会いたいな…と思うのでした。


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これからの冬鳥シーズンに備えて、ぜひ自分用のクリスマスプレゼントにいかがでしょうか?


スタッフFでした。

 

バードウォッチングに出かける際の鳥インフルエンザへの配慮のお願い

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