2024年12月23日に横浜市立芹が谷中学校の個別支援級にて、
当会スタッフが鳥の学習のための特別授業を実施しました。
芹が谷中学校の個別支援学級では、理科の授業で学校にやってくる野鳥について学習をしています。
当会による特別授業は今回で2回目の開催で、前回は2024年の2月にシジュウカラの子育てについてのレクチャーと巣箱を取り付ける作業を行ないました。
(前回の様子はこちらから)
今回はシジュウカラが1年を通してどのように過ごしているのかについてのレクチャーと、取り付けた巣箱の回収と中身の観察・再設置を行ないました。
▲巣箱は全部で8個。 |
▲ドライバーを使って開けていきます。 |
中身はどんな感じでしょうか。。。
▲空っぽでした…! |
残念ながら、どの巣箱でもシジュウカラが営巣した痕跡はありませんでしたが、巣箱の中には何かのフンや虫の繭、ドングリ(!)、ヤモリが産卵した跡などが残っていました。
当会スタッフが観察用に用意した別の巣箱の観察では、ドロバチが使った後の巣やヨコヅナサシガメの幼虫が越冬している様子も見ることができました。
▲ヨコヅナサシガメの幼虫(左)とドロバチの巣(右)。 |
樹洞を利用する生き物が巣箱にやって来ているのですね。
巣箱は鳥だけではなく多様な生き物が使用していることが分かりました。
巣箱の観察の後は、班に分かれて巣箱の再設置を行ないました。
どうしてシジュウカラが来なかったのか、周りの環境や巣箱の高さ、向きなどの原因を考えて改善したり「ここに設置した方が教室から観察しやすいよ!」など意見を出し合いながら巣箱を設置していく様子が見られました。
▲高所の取り付けは当会職員が行ないました。 |
最後は教室内で改めてシジュウカラが来なかった原因について意見などをまとめ、
観察結果といっしょにワークシートへ記入して終了となりました。
生徒の皆さんは今回の授業でもとても積極的で、巣箱にシジュウカラが来なかった原因について、「リスの巣が多いからでは?」「金網のフェンスにかけた巣箱は鳥が使いづらかったかも」
など、様々な視点から意見を出し合っていました。
また、虫が苦手だと話していた生徒さんが巣箱から出てきた虫たちをじっと観察してくれていたのも印象的でした。
(動きがゆっくりなモリゴキブリのなかまの幼虫を見た生徒さんたちから「かわいいかも」といった声が挙がったのも驚きでした!)
一方で、「校内でまだシジュウカラを見たことがない」という生徒さんの声もあったため、
今度は野鳥たちが活発になる春頃に校内で探鳥会を行なう特別授業を計画中です。
引き続き、日本野鳥の会では様々な人たちに野鳥観察を楽しんでいただけるよう、
取り組みを続けていきます。