日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2023年10月の鳥は、ツツドリです。
撮影:仁科 研一 撮影地:東京都
「ポポ、ポポ …」
静かな初夏の高原で耳を澄ませると、森の奥からひそやかに、低い低い声が聞こえてきます。
ツツドリです。
鳴き声が、筒をたたいたときの音に似ているので、その名がついたそうです。
ツツドリは、カッコウの仲間です。外見は似ていますが声は大違い。カッコウのはっきりとよく通る声に比べると、とても控えめです。
そんなツツドリ。鳴き声でその存在に気付くことはできるのですが、姿を見るのは至難の業。葉が茂った森のなかに暮らしていて、開けた場所で鳴くことはほとんどないためです。私は一度も姿を見たことがありません。
そこで、隣の席のベテランバードウォッチャーに「ツツドリの姿を見るにはどうしたらいい?」とたずねたところ、こんな答えが返ってきました。
それは「春や秋に街中でさがすこと」。
ツツドリは渡り鳥です。春夏を日本で、秋冬を東南アジアなどで過ごすため、春と秋のはじめに移動をします。その移動の途中に街中の緑地にも立ち寄ることがあるそうです。毛虫が好物なので、毛虫がよくつくサクラの木での目撃情報が多いとのこと。
これは私の勝手な想像なのですが、その鳴き声から、ツツドリに対して控えめな大人しい鳥という印象を抱いていました。しかし、街中で毛虫をもりもり食べている姿を思い浮かべると、たくましさを感じ、新たな一面を見つけた気分になりました。
10月はツツドリの移動の時期です。
私の身近な場所でも出会うチャンスがあるかもしれませんので、ぜひ探してみようと思います。
スタッフEでした。
▼ツツドリの鳴き声はこちらのページで。
BIRDFAN ツツドリ
https://www.birdfan.net/cuculus_optatus/
▼日本野鳥の会 オリジナルカレンダー2024発売中!
―――――――――――――――――――――――――――