日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
11月の鳥はコゲラです。
撮影:Lengyel Aron 撮影地:埼玉県
ある休日の午後、家の近所の公園を歩いていると「ギ―」という声が聞こえてきました。コゲラです。コゲラは大きさも体色もスズメと似ているので、スズメとよく間違われる鳥です。でもスズメは住宅地や農耕地のような開けた場所に住んでいるのに対して、コゲラは森林性の鳥。微妙に住んでいる世界が違うので、この二種類を同時に見る機会は実際には少ないかもしれません。
さて、コゲラをはじめとするキツツキの仲間は立ち枯れた木をつついて、中にいる虫を採餌したり巣穴を掘ったりします。木に依存した暮らしをしているので、森林とは切っても切り離せない関係にあります。
ところが今、この森林に異変が起きているのです。全国の公園や緑地ではナラ枯れの被害が広がり、大量の木が枯れています。ナラ枯れとは、もともと燃料にするために植えた木が、燃料として使われることがなくなり、そのまま大木に成長し、大きくなりすぎたために病気になって枯死するという現象です。そのまま放置しておくと枯れ枝が落ちて下を通りがかった人に大けがをさせてしまう恐れがあるため、私が通う関東の公園や緑地では、あちこちで安全管理のために園路わきの枯れ木を伐採しています。しかし、道から外れた森の奥の方では人に被害が及ぶ心配がないので、枯れても放置されており、全体としてはおそらく立ち枯れた木が増えているのではないでしょうか。
立ち枯れた木が増えることは、コゲラをはじめとしたキツツキの仲間にとって好都合なはず。はたして今後コゲラの数が増えていくのか? それとも意外にそうでもないのか? この疑問の答えはぜひ皆さん自身でお近くの公園や緑地で、キツツキの仲間の数を数えて確かめてみてください。
最後に日本野鳥の会は今年で90周年を迎えます。(※)バードメイトでは90周年記念バッチのデザインをコゲラにしました。なぜコゲラを選んだのかというと、日本野鳥の会の会誌「野鳥」の創刊号の表紙がコゲラだったからです。コゲラが今のように都市部の緑地や公園で見られるようになったのは70年代くらいから。今から50年ほど前のことです。90年前のコゲラは、おそらく今ほど気軽に見られる鳥ではなかったでしょう。90年間の間に森林の鳥から都市部でも見られる身近な鳥へ変化していったコゲラですが、これから先はどんなくらし方をする鳥に変わろうとしているのでしょうか?
※90周年記念デザイン バードメイト「コゲラ」について
https://www.wbsj.org/join/donation-and-fundraising/donation/2024bm/
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