日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
撮影:宇仁 愛治 / 撮影地:長野県
ムクドリよりやや小さめの、ムクドリの仲間の鳥です。
日本では、春から夏に見られる渡り鳥。
図鑑で見ると、ムクドリとは模様が異なっていて、オスの頭部にある白と茶色の模様が印象的な鳥です。
サクラの実を食べることから、「サクラドリ」と呼ばれることもあるようです。
私にとっても、コムクドリと桜は印象深い組み合わせです。
以前、私がコムクドリを見て強く印象に残っているシーンも、桜の木の下でした。
6月のある日、目が不自由な方々と一緒にバードウォッチングをしているとき、桜並木の下を歩きました。
すっかり葉桜になった並木の1本から、複数羽の鳥の声が聞こえてきました。
私は鳥の種類を確かめたくて、姿を見ようとしましたが、葉が茂っていてすぐには鳥の姿は見えません。
そんなとき、ある全盲の方が「この声はヒナみたいですね。巣があるのでしょうか」とおっしゃいました。
確かにその通り。その桜の木には、コムクドリの巣がありました。
私は普段、鳥の声を聴くことは、鳥の位置を確かめる手段にしていて、まず、姿をみて種類を確かめることを優先し、声を聞くのは二の次でした。
しかし、その方は、まず、純粋に声から得られる情報で野鳥を楽しもうとしていました。
目の不自由な方は鳥の姿が見えなくて野鳥を見る楽しみが半減してしまうのではないか、と先入観をもっていたことに気付かされました。
子育ての邪魔をしないように、我々はその場をそっと立ち去りましたが、ちょうど鳥の子育てシーズンであったこともあり、その日はあちこちで野鳥の親子に遭遇する場面がありました。
目の不自由な方々は、ヒナの声と親鳥の声の違いをしっかりと聞き分けている様子が心に残りました。
感覚はひとそれぞれ。それぞれの感覚で野鳥を楽しむことができると、あらためて教えられました。
その日からもう何年もたちましたが、コムクドリを見ると、あの桜並木が目に浮かぶのです。
日本野鳥の会 オリジナルカレンダーについて
https://www.wbsj.org/shopping/goods/original-calendar/
---------------------------------------