日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに掲載されている野鳥について紹介します。
2024年3月の鳥はオナガです。
撮影:三戸 貞夫 / 撮影地:青森県
オナガは容姿に反し(三者三様)、グェ~!と濁った声(デスボイス)で鳴くカラス科の野鳥です。
食性は雑食で学習能力が高く、そしてあの大きな鳴き声。
ああ、カラスなんだなと実感します。
繁殖期以外は10~30羽くらいの群れで過ごし、繁殖期でも時折
群れに合流したり、巣に敵が現れれば近くの仲間がすぐに集まって
皆で協力して追い払う、仲間愛がとても強い野鳥です。
生息地は中部地方より北の、本州のみ…と局地的なうえに、
一帯を周回しています。なので、
「オナガはどこで見られますか?」という質問に対しての答えは
「どこかにいる。」という曖昧なお答えになってしまう野鳥です。
同じ場所にしばらく滞在している事もありますが、いずれは移動します。
そしてまた不定期で帰ってきます。
環境が変わったりすることで、違う地域にお引越ししてしまい帰ってこない事もあります。
身近な場所でいうと、明るく開けた住宅街で緑地が隣接しているような環境を好みます。
水浴びや食事等で降りてくる用事がある時以外は、たいてい樹のてっぺんや上部分、
屋根の上で過ごしているので、基本は見上げての観察が多いでしょう。
警戒時や移動時にグェーイ!ゲッゲッゲッゲ!!と群れで一斉に鳴き、家の窓を貫くけたたましさです。
つがいでいる時はピュイッと甘えた可愛い声を出す時もあるのですが、普段からそうやって甘えて欲しい所存です。
日本名「オナガ」はその名の通り尾が長いことから由来していますが
中文名は「灰喜鹊」灰色のカササギ(鹊)と書き、個人的には中文のほうがしっくりきて好きです。
ちなみに英名では「Azure-winged Magpie」と、明るい青空の翼(Azure winged)と表現されています。
普段留まっている時にチラリと見える水色の翼は、飛翔時にとても目立ちます。
これを空と呼んだ人のセンスにじーんと胸が熱くなります。
私が住んでいる地域には群れがいくつかあるようで、1年中見ることができます。
普段見ている群れは、近所の公園と家の裏庭を1~2日のペースで周回しています。
今週に入ってから、我が家の前の桜並木で毎朝朝集会をしています。
そんな環境で生まれ育ち、個人的にはスズメくらい身近な鳥でした。
大人になってから、実は珍しい鳥という事を知り、
自分がとても幸運で恵まれていると思いました。
スタッフMKでした。